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関東で強盗が相次ぐ中、24日、「ルフィ」らによる強盗事件のうち、6つの事件で起訴された実行役の男に対し、検察側は無期懲役を求刑しました。男は「極刑をくだしてください」と涙ながらに訴えました。

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それは、8月末の夕方の出来事でした。

貴金属店社長
「お店の前を2人組の帽子とマスクの男が行ったり来たりして、ちょっと怪しかったので『予約制なので対応できません』と。そしたら『いいです、わかりました』と言って帰って行った」

千葉県船橋市の貴金属店で目撃されたという“不審人物”。同じ日、隣の八千代市で強盗予備事件があり、男と少年の3人が逮捕されていましたが、そのうちの1人、19歳の少年が船橋市の貴金属店にも強盗目的で押し入ろうとしたとして再逮捕されました。

調べに対し少年は「お金をもらうためにやった」と話しているということです。

貴金属店社長
「おどおどしているというか、てんぱっているというか。パッと見たときは手ぶらだったので、あとあと刃物とか持っていたら怖いですね」

警察は、八千代市の事件の実行役とみられる男2人もこの事件に関与したとみて捜査しています。

今、関東各地で相次いでいる強盗などの事件。これまでの逮捕者は35人以上です。こうした“実行役”らが集められたきっかけとみられるのが、SNSにはびこる「闇バイト」です。

24日に東京地裁立川支部で開かれたのも「闇バイト」をきっかけに起きた事件の裁判です。法廷にたったのは、指示役「ルフィ」らによる一連の強盗のうち6つの事件に関わったとして起訴されている永田陸人被告(23)です。去年1月に東京都狛江市で90歳の女性が死亡した強盗致死事件では、実行役のリーダー格でした。

永田被告(23)
「身勝手で利欲的で自己中心的な考えのために行ったことです」

「闇バイト」に応募して事件に加わった永田被告。23日の被告人質問では、現場での生々しいやりとりを明かしています。

永田被告
「指示役から『一発喝をいれてきてください』と言われ、女性の胸ぐらをつかみ、あごを殴った。心理的にもダメージを与えるため、『娘や息子を殺すぞ』と女性を脅した」

自らの量刑については「被害者は未来を奪われていて、死刑じゃないと償えないと思う」と口にしていました。

迎えた24日の裁判。検察側は永田被告に対し「無期懲役」を求刑。「犯行動機は身勝手かつ利欲的」、「高齢の抵抗できない女性に暴行を加えた犯行は残虐で極めて悪質」と指摘しました。

一方、弁護側は「責められるべきは首謀者の指示役」などとして「有期の懲役刑」が相当だと主張しています。

また、法廷では被害者遺族の意見陳述も読み上げられました。

遺族の意見陳述
「母は本当に普通の女性で普通のおばあさんでした。あと10年生きられれば100歳でした。100歳まで生きてほしかったと思います。母が何を思って死んでいったのだろうかと考えない日はありません」

つづられた心情。そして、永田被告については…

遺族の意見陳述
「極刑を希望します。ならないのであれば、1日も長く刑務所にいてほしい」

裁判の最後、永田被告は時折、涙声になりながら…

永田被告
「これは私の意思でやったことです。責任を果たすには死刑がふさわしい。私のことは一切考えないでください。被害者遺族の気持ちだけを考えて、極刑をくだしてください」

判決は11月7日に言い渡される予定です。