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関東で強盗事件が相次いでいます。グッズを活用して狙われにくい家づくりや地域づくりを進め、危険なSNS投稿を避けることが大切です。

そこで今回の#みんなのギモンでは、「自宅の防犯 何ができる?」をテーマに、次の2つのポイントを中心に解説します。

●狙われない家づくり
●狙われやすいNG行為

■相次ぐ強盗事件 国も対策を検討

加納美也子・日本テレビ解説委員
「強盗などの被害に遭わないために、自宅の防犯で何ができるのか。一連の事件を受けて、ついに国も動き出しました。石破首相は22日、警察庁長官から報告を受け、『必要であれば補正予算も通じて対応していく』と発言しました」

「SNS上の闇バイトの広告に乗らないように呼びかける広報を強化することや、防犯ボランティアによるパトロールの拡充などが検討されています」

鈴江奈々アナウンサー
「今これだけ増えてきているので、少しでもこういった対策が進んでいくことが望まれますよね」

■警備の問い合わせ、グッズ販売が急増

加納解説委員
「いま、防犯への意識が高まっています。警備サービス大手のセコムに聞きました。契約数が増えている他、とにかくいま、問い合わせが急増しているそうです」

「バールなどで壊そうとした時に、ヒビは入るものの貫通しづらい防犯ガラスに替えたいという人や、窓に防犯フィルムを貼りたいなどという問い合わせは、9月の同じ週と比べて約20倍になっています。窓や扉にセンサーを取り付けたいという人は約8倍だそうです」

「ホームセンターのカインズでも、自分で(対策が)できる防犯グッズの需要が高まっていて、センサーライトや窓の鍵を増設できる補助錠の売れ行きは、去年の同じ時期と比べて約5倍になっています」

森圭介アナウンサー
「先日ホームセンターに行ったら、入り口の一番いい所に防犯グッズコーナーがありました。『皆さん関心が高いんだな』と感じました」

■玄関で…防犯グッズの使い方は?

加納解説委員
「売れているんでしょうね。こうした防犯グッズを実際どのように使うことができるのか、ホームセキュリティーの会社・Secualに聞きました。まずは玄関からです」

菊池正和代表
「侵入犯は、音・光・時間・人の目を重視する傾向があります。センサーライトは、人の気配を察知すると光で侵入犯を威嚇する効果があります。光を嫌う侵入犯が非常に嫌がります」

加納解説委員
「安くて設置が簡単だというのがセンサーライトです。他にも、スマホで映像を確認できる防犯カメラや、自動的に鍵を閉めるスマートロックも侵入被害の抑止になるといいます」

■窓の対策では「補助錠」がおススメ

加納解説委員
「次に窓の対策です」

菊池代表
「仮に窓が割られて鍵を開けられ、侵入犯が侵入しようと思った時に、補助錠が付いていれば、簡単に窓を開けることができません」

加納解説委員
「締め付けるだけで設置できるため、最初に始める窓の対策としてはおススメだということです」

忽滑谷こころアナウンサー
「対策したいと思っても大掛かりな工事だと時間がかかってしまいますから、いますぐ何かやりたいという方にはいいかもしれませんね」

加納解説委員
「担当者は、『まずは価格の安い物から設置してみて、徐々に高機能の物を使ってみるのもいいのでは』と話していました」

■侵入の手口 多いのは…

加納解説委員
警察庁の『刑法犯に関する統計資料』によると、家に人がいる時に侵入して窃盗を行った犯罪(居空き)の認知件数は、去年1年間で995件でした」

「どうやって侵入したかを見ると、3番目に多いのが、合鍵などを使って侵入する手口で19件でした。以前の住人が持っていたり、知人による犯行だったり、郵便ボックスなどに入れていた鍵から合鍵を作って部屋に侵入したりといったケースが多いようです」

森アナウンサー
「郵便ボックスから鍵を盗むのではなく、合鍵を作って戻しておくということですか…」

鈴江アナウンサー
「気づきにくいですよね」

加納解説委員
「2番目に多いのが、ガラス破りで88件。1番多いのが無締まり。鍵が閉まっていない所からの侵入で、775件と約8割を占めていました」

桐谷美玲キャスター
「家にいる時に鍵を閉めないとなると、換気などで開けている場合もありますからね…」

森アナウンサー
「ドアはともかく、窓を開けっ放しにしている方はいると思うんですよね」

加納解説委員
「どんなに対策をしても、鍵をかけなくては全く意味がありません。日頃から鍵をかける習慣を身に付けておきたいものですね」

■狙われやすいSNSの投稿とは?

加納解説委員
「狙われやすいNG行動について考えます。普段から、少し心掛けることでできる対策をセコムに聞きました。まず、SNSでの投稿です。狙われやすくなってしまう危険な投稿はどんなものか分かりますか?」

桐谷キャスター
「旅行などに行く時に、家にいないということが分からないように、すぐにSNSに投稿しないようにしています」

森アナウンサー
「自宅の近くで場所が分かるような写真は上げないように気を付けています」

加納解説委員
「割と素晴らしい対策だと思います。例えば『これから寝ます』『明日から出張です』など、一見当たり障りのなさそうな投稿でも、侵入のチャンスだと情報源にされてしまうことがあるそうです」

「リアルタイムの投稿や、先の予定を具体的に書くのは控える。『行きました』という過去形はいいですが、『ここにいます』という現在進行形はダメということです」

鈴江アナウンサー
「自分はそのつもりはなくつぶやいてしまったことも、悪用されるリスクがあります。1回立ち止まった方がいいですね」

不審者対策 ゴミが落ちていたら?

加納解説委員
「次に、不審者への対策です。道端にゴミが落ちているのを見つけたら拾うかどうか、いかがでしょう?」

鈴江アナウンサー
「これが不審者対策になるんですか? 拾っていた方が、皆さんがまちなかに目を配っているという、警戒感がありそうじゃないですか」

忽滑谷アナウンサー
「私はいま何事も疑ってしまうので、誰かが意図的に落とした物だったとしたら、拾ってしまうと、なくなったことによって、何時くらいにどれくらいの人が通るのか、周辺に住んでいる人の情報になってしまうんじゃないかと思ってしまいます」

加納解説委員
「セコムによると、答えは○です」

「ゴミや落書きが放置されていると、不審者には近所付き合いが薄いと思われて狙われやすい。ご近所の人とはなるべく挨拶を交わすのも対策の1つです。不審な人がうろついていれば目立ちますし、うかつなことはできない印象を与えます」

森アナウンサー
「地域ぐるみでの防犯ですね」

鈴江アナウンサー
「こうやって目を配っておくことが大事なんですね」

不審者はどんな服装をしている?

加納解説委員
「では、こうした不審者はどんな服装をしているのでしょうか。スーツ姿、工事などの作業着、普段着。どれだと思いますか?」

桐谷キャスター
「いろいろやっていても怪しまれなさそうなのは、作業着なのかなと思います」

加納解説委員
「答えは全部です。スーツを着て訪問販売員になりすます、工事などの作業者になりすます、普段着で住民になりすます。こうした服装で周囲の状況に合わせれば、目立ちません。ごく当たり前の、普通の服装をして紛れ込んでいる可能性があります」

不審者を見抜く上では、行ったり来たりを繰り返してウロウロしている、不自然な場所で立ち止まっている、同じ場所にずっといるといったポイントに気を付けてください」

「強盗の手口は年々巧妙になっています。自分の身は自分で守る意識を持って、対策は時代に合わせてアップデートしていく必要がありそうです」

(2024年10月23日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)

【みんなのギモン】

身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト)