女流雀士・黒沢咲 大学時代に白衣着たまま雀荘へ 就活では麻雀愛をアピールして入社 対局前は「トイレ掃除」がルーティン
麻雀プロリーグ戦・Ｍリーグが熱い戦いを繰り広げている。女性雀士に思いを聞く本企画に黒沢咲（ＴＥＡＭ ＲＡＩＤＥＮ／雷電所属）が登場。「強気のヴィーナス」と呼ばれている黒沢に麻雀への思いや、家族への思いを聞いた。全２回の１回目。
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−今季序盤戦を振り返っていかがでしょうか。
「ラス（４着）、３着、３着なんですが、大きなチャンスがまだ来ないっていうか、手がなかなか入らない状況なので、正直モヤモヤしています。チャンスが来た時に、一撃でしっかりアガれるように、我慢するところは我慢して準備している状況です。（インタビュー後の４戦目に１着）」
−今季の意気込みは？
「レギュラーシーズンで敗退してしまうと、チームが今のままの形では存続できないという危機なので、そこを超えることが（チームの）共通の目標になっています。今まで６シーズンの中で最高の結果が出た２年前、今年はそれを超えるような結果を出せたらいいなと思っています。個人として（昨季は）すっきりしたコンディションで打てない日が多かったです。家に帰ってから試合を見直しながら寝て、朝起きてもだるいとか…だんだん（疲労が）蓄積してしまった感覚があるので、今年は疲れを残さずに、いい状態で最後まで戦えることが目標です」
（続けて）
「（対局で）すごく集中して、体がガチガチになってしまうんですよ。去年まではやっていなかったんですが、どんなに試合が遅くなっても、家に帰ってかなり念入りにストレッチをしています。私のお誕生日に主人のお母様が素敵なシャワーヘッドをプレゼントしてくださったんです。すごく温まるし、お肌にもいいみたいで、リラックスできています」
−ストレッチはどれくらいやる？
「だいたい３０分以上はしてますね。布団の上で足を伸ばしたり、回したりしています。朝起きて、昨日の対局の疲れが残ってだるいっていうことが格段に減りました」
−対局前に必ずすることは？
「試合前にはよくトイレ掃除をしてます（笑）。神棚もあるので綺麗にしたり、気持ちよく試合に行けるように家の中を整えたりしています。実はお掃除は、すごく苦手なんですけど…頑張ってます。それと脳に糖分を与えたいので、試合前には黒酢蜂蜜ドリンクを飲んでいます」
−甘いものが好き？
「それが…私、お酒が好きなので、本来は甘いものよりしょっぱいものが好きなんです。おつまみ系ばっかり食べています。お酒はスパークリングワインが大好きです。ワインも結構飲みますね」
−麻雀をするきっかけは？
「結構始めたのが遅くて、大学生になってから覚えました。子どもの頃はドンジャラ（家族みんなで遊べるファミリーゲームの超定番）を結構やってたんですよ。オセロも含めて、誰かと対戦して勝ち負けがつくようなものは昔からすごく好きだったんです。麻雀は大学の授業が休講になったときや、実験の待ち時間に白衣を着たまま雀荘に行って友達と打つような感じでした。好きになったきっかけは分からないんですが、初めてやった時から楽しくてほぼ毎日通いました。私、理系だったので周りは男子生徒が多くて、みんなで麻雀するみたいな感じでしたね。それで私も連れてってもらってやったら、すぐはまってしまって。多分、誰よりも大学の横にあった雀荘にいたと思います」
−就職活動でも麻雀好きをアピールした。
「履歴書にも趣味は麻雀です、と書いていたので、面接官の方々からいろいろ質問を受けて、それに対して熱く語ったみたいな感じでした。５段階評価で自分の強さは？と聞かれて『４』と答えたんですが、今思うと自信があったんだなって。いまは『４』って答えられないかもしれないです（笑）」
−面接官の反応は？
「入社してから知ったんですけど、役員面接で、面接官は誰も麻雀のルールを知らない方々だったんですよ。なので、変わったものを見るような目で見られていたかもしれないです（笑）。社長は好奇心旺盛にいろいろ聞いてくださいました」
◆黒沢 咲（くろさわ・さき） 北海道札幌市生まれ、東京都育ち。上智大学卒。ＴＥＡＭ ＲＡＩＤＥＮ／雷電所属。日本プロ麻雀連盟所属。学生時代に麻雀を始め、０５年に日本プロ麻雀連盟２１期生としてプロ入り。１８年、Ｍリーグドラフト会議にてＴＥＡＭ ＲＡＩＤＥＮ／雷電から３位指名を受ける。１９年には日本プロ麻雀連盟Ａ１リーグに昇級。独自の打ち筋「セレブ麻雀」で、Ｍリーグ３シーズン連続３桁プラスを達成。愛称は「強気のヴィーナス」。
◆Ｍリーグ 優勝賞金５０００万円を９チームで争う。１チーム男女混成の４人で構成。レギュラーシーズンの上位６チームがセミファイナルシリーズに進出。さらに上位４チームがファイナルシリーズに進み、優勝を目指す。ＡＢＥＭＡで全試合無料生中継中。
