イランと中国、米大統領選に向け工作活動か マイクロソフトが指摘

写真拡大

Christopher Bing A.J. Vicens

[23日 ロイター] - マイクロソフトは23日、米大統領選が近づく中、イランのハッカー集団が米国の選挙関連ウェブサイトやメディアサイトを積極的に偵察しており、「一段と直接的な影響工作」が準備されている可能性があると警告した。

このほか、中国が管理しているとみられるソーシャルメディアの自動プログラム(ボット)の大規模ネットワークが、米国のアラバマ州、テキサス州、テネシー州の有権者に影響を及ぼそうとしている可能性があると指摘した。

マイクロソフトはイランについて、イラン革命防衛隊との関連が疑われるハッカー集団「コットン・サンドストーム」が、米大統領選の複数の激戦州で選挙関連サイトの偵察と調査を行っていると指摘。5月には報道機関のサイトの脆弱性調査も行ったとしており、コットン・サンドストームは選挙が近づくにつれ活動を活発化させる可能性があると警告した。

イラン国連代表部の報道官は「イランには米国の選挙に干渉する動機も意図もない」とし、「こうした主張には根拠がなく、全く受け入れられない」と述べた。

マイクロソフトは中国について、中国公安省との関連が疑われる「Taizi Flood」と呼ばれる工作グループが、偽アカウントを通してフロリダ州のマルコ・ルビオ上院議員を含む複数の共和党議員を中傷していると指摘。過去に中国政府の政策を非難したことから標的にされている可能性があるとしている。

ワシントンの在米中国大使館の報道官は「中国には米国の選挙に干渉する意図も意思もない」とし、こうした主張は「悪意のある憶測に満ちている」と反論した。

米国の国家情報長官室はマイクロソフトの指摘についてコメントを控えている。