今夏、これまでの海外組に加えて多くの選手たちが海を渡った。国立競技場で26日に開催される韓国女子代表戦は、そういったなでしこジャパンの戦士たちを生で観ることができる機会。選手たちも日本サポーターの前でプレーすることを楽しみにしている。

 世界最高峰のリーグで活躍を続けるMF長谷川唯(マンチェスター・C)もその一人だ。「日本で試合をできるということで、いろいろな人に見てもらえるチャンス」。「日本サポーターの方々と関われる機会が少ないので、見てもらって、こういうふうになりたいと思ってもらえるようなプレーをしたい」と笑みを浮かべた。

 一方で、サポーターからの不安の声も理解している。日本女子代表は8月に池田太前監督が退任してから、今回の代表活動までに新指揮官が決まらなかった。韓国戦に限っては日本サッカー協会の佐々木則夫女子委員長が監督を代行。年内での就任発表を目指しているという。

 長谷川は「新監督が決まっていない状況というのは、周りの人から見ても『この合宿どうなんだ?』というところはあるかもしれない」としつつも、「今このチームが始まったということには変わりない」ときっぱり。「監督がどうこうというよりは、自分たちができるサッカーを見せられたらいいなと思う」と日韓戦に向けて意気込みを語った。

 その韓国戦の先に、新生なでしこジャパンの真のスタートがある。長谷川はこれまでの戦いぶりを「(目指すサッカーの)目標があるなかでも、やはり厳しい試合が続くと、自分たちがやりたいようにできず、相手に合わせて、相手の良さを消すためにどうするかということをやってきた」と振り返る。そのうえで「日本の目指すサッカーというのは、今までと変わらないと思う。より自分たちがやりたいことをできるように積み上げていかないといけない」と今後に目を向けた。

(取材・文 成田敏彬)