衆議院議員総選挙(27日投開票)の東京9区(練馬区の一部)には、4人が立候補している。無所属で自民党・公明党からの推薦を受ける菅原一秀候補(当選6回・元経済産業大臣・元財務副大臣)は、公約について「増税路線を止めてデフレ脱却」と述べた。菅原候補は2019年、経済産業大臣時代に有権者への贈り物をした疑惑が出た後に辞任。2021年には離党し、その後、公職選挙法違反で罰金刑を受けて公民権が停止に。今年7月に公民権が回復し、衆院解散の今月9日、党本部は菅原氏の復党を認めている。

【映像】過去の「カニとメロン」について語る菅原一秀候補

―自己紹介を。

 この度、東京9区から原点に戻って、7期目の挑戦をいたします、菅原一秀です。絶対に勝ち抜いて、皆さんの声をもう一度国会に届けていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

―公約は。

 まず増税路線を止めて、積極財政と金融緩和を継続して、そして、今、まだデフレ状況にありますから、完全にデフレから脱却して、皆さんの賃金が上がるまで経済を強くする。そして、例えば日本のお米なんかもどんどん海外に輸出して、余剰のお米を安く国内に供給する。今までお米なんかはどうしても減反・減産をやってきて、農家も倒産したり減ったりして、スマート農業が非常に増えてきましたけど、これからは今まで自動車、機械や部品、こういったものを売って、その代わり日本の農産品は輸出をしなかった。それが結果的に食料自給率の低下になった。したがって今後は食料自給率を上げて、国内で採れたもの、作ったものをしっかり供給することによって、円安、為替によって6割以上輸入していますから、物価が高い、こういったことも抑える。これが大事だと思っています。

―賃金対策、具体的なものは、

 このところ3年連続賃上げが進んでいます。しかしながらあくまでもそれは大手企業、 あるいはトヨタをはじめ輸出で儲けている企業が多いと思います。99.7%の企業が中小企業ですから、そこの賃上げが本当に進んでこそ本当の賃上げになるかと思いますし、その点考えてみると、やはり中小企業でも大手のトリクルダウンをしている、そうした中小企業は一定の賃上げも進んでいますけど、そうではない、いわゆる輸出関連ではなく国内で供給をする企業においては、やはり国内の需要が下がっていますから、ここは機動的な財政出動をやることによって、しっかりと新しい需要を生み出して、そしてまた人手不足の状況の中で、AIを使って、ドローンを使って、ロボットを使って、その行政文書なんかはAIでどんどんやったり、あるいは計算・経理もAIをやって、人間が本来できる、あるいはもっとやれることを業務拡大して、その総合的な力が、いわゆる企業あるいは業界のバージョンアップになってGDPに寄与する。そして全体で税収が上がる。ここ数年、毎年税収が上がっていますから、こんな時の増税を絶対止めなければいけない。増税を止めて、しっかりと新しいニーズを作り出す、そして金融緩和を継続、日銀の利上げなんかを反対したい。

―政治とカネの問題、政治の信頼回復については。

 今、裏金、不記載という問題、私も3年間浪人いたしまして、 原点に戻って初心にかえって、今回、衆議院選7期目に挑戦をしております。そのいろいろな反省のもとに、やはりそういう経験をした者として、底辺というか、原点から今回挑戦をしているわけですけど、 3年間浪人している間に、国会でその不記載の問題、これははっきり言って脱税です。これがバレたら返しますとか、還付金だとか、これははっきりと言い訳でありますから、この辺をやっぱり全容解明することが一つ。

 そして今後は、やっぱりあらゆる政治資金に税金をかける、課税をする。これが大事だと思います。物を買えば消費税を払わなければいけない。お金が、給料が入れば所得税を払わなければいけない。世の中そういう税制がある中で、政治資金だけは全く課税されていない。これは本来政治家というのは聖職というか、聖人君主というか、政治が正しいものであって、だから税金をかけない、そういう立て付けであったわけですけど、今は全く逆の状況になっていますから、それを含めて、真っ当な普通の感覚、あるいは経済構造、あるいは税制の構造ということを考えれば、まずあらゆる政治資金に課税をする。同時に政治資金の入りと出は全部オープンにする。

 この政策活動費も完全に廃止すべきだと思いますし、私、実は国会議員の議員年金を廃止した重本人なんですね。今から23年前ですかね、当初国会議員は10年議員をやると月に最低で34万、1年任期が伸びると月に8万円ずつ増えた。ですから総理大臣経験者なんかも月に100万以上の議員年金をもらっていたんで、これはやっぱりおかしいでしょうと。国民の皆様の年金が国民年金で5万円、6万円。また、この年金の財源の問題、現役世代が大変負担をしなければいけない。そういった時に議員年金が全部、一部その議員年金の保険料を天引きで払っているわけですが、実際にはこの議員年金というのが歪な形であったので、私は「これはおかしい」と国会で質問して、党でも質問して、先輩議員から「お前何言ってんだ、1年生だから、無派閥だからできるんだ」と言われた。それでも頑張ってですね、今の群馬県知事の山本一太さんとか、 そういう仲間と議員立法を作りまして、議員年金廃止法、これが国会を通りまして、今は全国の国会議員も都道府県議会も市町村議会も全員の議員年金がなくなった。

 議員というのは退職金がありませんから、いわゆる退職金代わりだなんて、理屈を言っていた人もいますけど、年金とつく以上はやっぱりこれは違うだろうと。そういったことを通した一人として、やっぱり政治とカネの問題、自らの経験も含めて、またいわゆる反省のもとにですね、こういったことは徹底して改革をしないといけない、そんな風に思ってます。

―SNSではメロン、カニ、香典など過去のことについていろいろな声が出ている。大臣として辞表も出した過去もある。他の候補者よりももっと踏み込んだ発言が必要では。

 そのご質問自体が全く事実誤認です。カニ、メロンで辞めてないんですね。カニとかメロンというのは、25年前にお中元、お歳暮をもらっていた。その方にお返しをたまたましたんです。そうしたら週刊誌に載ったんです。それ以来もらうのはいいけど、やっぱりお返ししちゃダメなの。25年前にそういう経験をして、それからやってないんです。ところが、その時の記者さんが別の週刊誌に移って、同じことを大臣だからと焼き直したんです。それが国会で大臣になった時の予算委員会の質問で、その頃にいわゆる無派閥だったので、先輩議員からご飯をごちそうになったりすればお返ししますよね。それの一覧表がですね、まぜこぜに質問されたんです。それで、いまだにメロンやカニで辞めたんだと思っている人が世の中にいっぱいいるんですよ。全くそれ違うんですね。

 私が経産大臣を辞職したのはですね、海外出張した時とか、あるいは深夜国会になった時に、どうしてもお通夜があれば行けませんね。そんな時にどうしてもやっぱり、秘書、家族に頼んだことはありました。でもその件は全く当局が調べましたら、95%以上自分が香典を持っていったのがわかったので、ここで不起訴になった。不起訴になった後に8カ月後に検査審査会というのがあって、そこで今度はお祭りや盆踊り、イベントに行けば、やっぱりビールいただいたり、お土産もありますので、当然会費を出すわけですよ。その会費を対価として出した。けれどもそれが件数が多いということで、それで判断的に罰金を払うと。そして公民権停止になった3年。それが真実でございます。

 カニやメロンで辞めたわけでは全くないのと、その時の野党の方が国会で20数年前のことを持ち出して、その時に先輩の議員に、当然選挙区の人ではありませんから、お世話になったことのお返しをした。そういったことのお話、全部まぜこぜになる。本当にこれが全て真実なので、非常にいい機会だなと思っています。

ー幸せな社会を作っていくためには。

 今すでに幸せな人はいくらでも幸せのものを求めてくるのだと思います。ただ不可抗力で致し方なくどうしても環境的に、どうしても不幸せだなと思う。例えば、生まれながらに障害があったり、あるいはいろいろな事情で離婚してシングルマザーの人が、そして非正規雇用で子供を2人3人抱えている、そういった方々には給付金や、その子どもたちにはいわゆる返済不要の給付型のいわゆる奨学金、こういったものも出さなければいけません。

 この異常な物価高に関しまして、やはり今のガス代、電気代、ガソリン代の補助金、これも10月で終わってしまうんですが、これはもう円安の間はずっと継続すべきだと思いますし、 そういった意味ではいろいろ幸せ、それが物理的な幸せではなく、どんなに貧しくても幸せを感じる、そういったいろいろな幸せの基準というものを幅広に提示できる、貧しくても幸せな人もいる、お金持ちでも幸せな人もいる、でも人間と何が一番幸せなのか、それは当然物理的にカバーするのであれば、それはセーフティーネットが必要だと思います。

 一方で心の中の幸せは人それぞれあると思いますから。あるいはそれを教育だとか地域の様々なコミュニティの中でもっと議論して広げていく。人の幸せは何なのかなということを、より日本中の皆さんに議論していただく、あるいはそれについてご意見をいただく。そういう国会議員というのは日本全体、国民全体の奉仕者でもあって、それをつかさどっていけるようにしていきたい、こんな風に思います。
(ABEMA NEWS)