「オービスから逃れるため」ナンバープレートを見えないように不正改造した男が逮捕!一体どんな犯罪になる? 元警察官が解説
ナンバープレートに付ける「フレーム」や「シール」にも要注意!
先日、北海道においてスピード違反の発覚を逃れるためにナンバープレートを改造した男性が逮捕されています。
では、ナンバープレートを改造する行為は一体どのような罪に当たるのでしょうか。
2024年10月3日、スピード違反の取り締まりから逃れる目的でクルマのナンバープレートを大きく前傾させる改造をした25歳の男性が、道路運送車両法違反と道路交通法違反の容疑で北海道警に逮捕されました。
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この男性は9月2日午後6時前、北海道喜茂別町内にある制限速度が時速60kmの国道をナンバープレート改造車で走行し、時速34km超過のスピード違反をした疑いが持たれています。
現場の国道では当時、警察官が自由に持ち運ぶことのできる「可搬式オービス」を使ったスピード違反取り締まりがおこなわれていました。
オービスは一定の速度以上で走る車両を速度違反車両として自動で写真撮影・記録化する装置ですが、今回はナンバープレートが改造されていたことから運転者の特定に時間がかかったものとみられます。
なお、警察はわずかに写っていたナンバーの一部や運転者の顔写真などから男性を特定しており、逮捕された男性も「オービスによるスピード違反の発覚を逃れるためにナンバープレートを隠した」などと容疑を認めています。
あまり知られていませんが、今回の事例のようにナンバープレートを周囲から見えないように改造する行為は「道路運送車両法違反」に当たり、道路運送車両法第19条ではナンバープレートの表示に関して次のように規定しています。
「自動車は・・・自動車登録番号標を国土交通省令で定める位置に、かつ、被覆しないことその他当該自動車登録番号標に記載された自動車登録番号の識別に支障が生じないものとして国土交通省令で定める方法により表示しなければ、運行の用に供してはならない。(条文を一部抜粋)」
簡単に言うと、ナンバープレートは番号の識別に支障が生じないよう見やすい位置に表示することが義務付けられており、実は前後のナンバープレートの角度やフレームの幅などの細かい数値も規定されています。
これにより、ナンバープレートにカバーを取り付ける、ナンバープレートを回転させる、ナンバープレートを折り返すといった行為が禁止されています。
加えて、ナンバープレートの文字が判読できないようなフレームを設置したり、シールを貼り付けたりするような行為もおこなってはいけません。
ユーザーの中には、可愛い・カッコイイといった理由からナンバープレートにデコレーションをする人も散見されますが、道路運送車両法違反に当たる可能性があるため十分注意しましょう。
またクルマのカスタマイズとして、各種ライトの色を変えたり窓に着色フィルムを貼ったりするユーザーもたびたびみられます。
ライトの色はヘッドライトが白色、ブレーキランプが赤色などと決まっており、規定された色以外のライトを装着して運転すれば整備不良の違反として検挙されるおそれもあります。
さらに窓に着色フィルムを貼り付けること自体は違反ではないものの、前面ガラスと運転席側・助手席側の窓ガラスに可視光線透過率(光を通す割合)が70%未満のフィルムを貼ると、こちらも整備不良の違反に当たります。
窓ガラスの可視光線透過率が下がれば下がるほど視界が悪くなることから、安全のためにこのようなルールが設けられています。
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過去にも、オービスによる検挙を逃れるためにナンバープレートを取り外した状態で走行した男性が警察の綿密な捜査により逮捕される事案が発生しています。
オービスの写真には違反車両のナンバーや車種だけでなく、運転者の顔や表情も鮮明に映し出されることから、スピード違反の言い逃れをすることは難しいといえるでしょう。