最近流行りの「大径ホイール」装着したら燃費は悪化する? 「クラウン」は“特大”21インチ標準装備!? 大型化のメリット・デメリットとは
ホイールが大きくなると何がイイ?
近年、新型車はボディが拡大していますが、実はホイールのサイズも大径化される傾向にあります。
ホイールが大径化するということはタイヤも大きくなり、燃費の悪化が懸念されます。
また、カスタムの第一歩とも言える「ホイール交換」では、おおむね「インチアップ」と呼ばれる、純正よりも径が大きいホイールを選ぶのが通例です。
大きいホイールはカッコいいのですが、メリットやデメリットはどのようなことなのでしょうか。
【画像】カッコいい! これが「ホイールが大型化する」理由です!(19枚)
まず、最近の新型車のホイール・タイヤが大径化され理由について、いくつかありますが、一番の理由は「見た目のカッコ良さ」と「ブレーキの大型化による制動力アップ」を目指したことにあります。
最近のクルマは安全装備や運転支援技術の搭載などで重量が増加しており、ブレーキの性能アップも必須です。これによりブレーキの容量も大型化は避けられず、収まるようにホイールも大きくなったと考えられます。
また、ホイールの大径化に伴い、タイヤの扁平率(タイヤの側面の高さ)が下がる(薄くなる)ことで、コーナリングなどでも側面のたわみが減り、走行性能自体もアップするとされています。
ただし、タイヤが薄くなることで衝撃吸収力は低下します。
もちろん新型車はそういった部分も踏まえてサスペンションのセッティングやタイヤの銘柄も選定されていますが、社外品のホイールや別の銘柄のタイヤに交換した場合は、乗り心地が悪化したりロードノイズが増加する可能性があるかもしれません。
また気になるのは、タイヤが大きくなると燃費が悪化する可能性があることです。神奈川県のH整備士に、ホイールにまつわるメリット・デメリットを聞いてみました。
「具体的な数値までは申し上げられませんが、ホイールの大径化に伴いタイヤを太くしてしまうと、燃費は悪化するでしょう。
これは大径化することでホイール自体の重量が増えることと、タイヤが太くなることで路面との接地面が増え、抵抗が増えるため、よりアクセルを踏む必要があるからです」
ロードバイクなどもホイールを大径化させる傾向がありますが、タイヤを細くすることで抵抗を減らす工夫がされています。
しかしクルマの場合、同じ太さで径だけ違うタイヤサイズは用意されていないので、ある程度の燃費悪化は諦める必要があるのだそうです。
ホイール交換で守るべき大切な条件として「タイヤの外周は変えてはいけない」ということがあります。
これを超えるようなサイズのホイールやタイヤを装着してしまうと、ホイールハウス内に収まらなくなり、車検が通らなくなってしまうことも。
「インチアップする場合はタイヤの扁平率を下げる必要があります。
最近ではトヨタ『クラウン』など純正で21インチを装着するモデルもありますが、あえて20インチタイヤを選択するだけでも乗り心地はかなりソフトになると思われます」(H整備士)
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タイヤは必ず消耗し交換する必要がある重要保安部品です。
見た目を重視するだけでなく、燃費や乗り心地も考慮してホイールとタイヤ(の銘柄)を考えてみるのも大きなポイントになりそうです。