衆院は9日午後の本会議で解散される。

 政府は続く臨時閣議で衆院選について「15日公示、27日投開票」とする日程を決定。自民党派閥の裏金事件を受け、政治の信頼回復が最大の争点となる。石破茂首相(自民党総裁)は解散に先立ち、立憲民主党の野田佳彦代表らとの党首討論に臨んだ。

 首相は9日午前、首相官邸で記者団に「政権を信任してもらうため、正々堂々、誠心誠意、選挙に臨んでいきたい」と強調した。

 これに対し、立民など野党4党の国対委員長は、額賀福志郎衆院議長に国会会期の延長を申し入れた。与党側が応じない見通しのため、野党4党は党首会談を開き、党首討論後に内閣不信任決議案を衆院に提出する方針で一致した。

 野田氏は会談後、記者団に「首相は予算委員会審議を拒み、会期延長にも応じていない。党略を優先させたと判断せざるを得ない」と語った。

 政府は9日午前9時の臨時閣議で衆院解散を決定。午後3時半予定の本会議で、額賀議長が解散詔書を読み上げる。首相は夜に記者会見し、政治改革への決意を表明。この後、東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の首脳会議に出席するため、初の外国訪問としてラオスの首都ビエンチャンへ出発する。

 衆院選は3年ぶり。首相は政権発足直後の「刷新感」を重視し、早期解散を決断した。解散は1日の内閣発足から8日後、投開票は26日後で、いずれも戦後最短となる。

 党首討論は、野党が解散前の本格論戦を求めたため、討論時間が通例の45分から1時間20分に延長された。野田氏や日本維新の会の馬場伸幸代表、共産党の田村智子委員長、国民民主党の玉木雄一郎代表が首相と対決する。

 野田氏は政治改革を巡り、企業・団体献金の禁止を要求。首相は「企業・団体献金はこれから先も認められるべきものだ」と反論した。

 衆院選は465議席(小選挙区289、比例176)を争い、過半数は233議席。衆院小選挙区の「10増10減」に伴う新たな区割りで初めて実施される。