【吉田 みく】「あなたが産めっていったんじゃない」「里子に出そうか」…45歳夫が絶句、妊活を嫌がる妻が出産したら「地獄」だった
妻のさらなる暴走
児童虐待の痛ましいニュースが日々絶えない。
こども家庭庁の「児童虐待相談対応件数」の資料によれば、全国232ヵ所の児童相談所が虐待相談をした件数は、令和4年には速報値で219,170件と過去最高にのぼり、相談内容の内訳は、心的虐待の割合がもっとも高く、次いで身体的虐待、ネグレクト、性的虐待と続く。
一体、なぜ虐待が起きてしまうのか。その原因はさまざまあるが、その理由のひとつに産後「ボンディング障害」が挙げられる。
出産後、生まれてきた赤ちゃんに母親が愛情を抱き、世話をしたいという「ボンディング（対児愛着）」の感情を抱けない女性を「ボンディング障害」とされ、そういった女性は従来考えられていたよりも多いことが最近の研究で分かってきたようだ。
神奈川県に住む会社員、山田さん（仮名・45歳）も子どもに愛情を示さない妻に悩むひとりだ。現在30代の妻は専業主婦。小学校に通う娘と三人暮らしで、妻の実家のすぐ近くに最近持ち家も買った。
マッチングアプリで知り合い、半年で結婚したヤマダさんと妻は理想の家庭像の価値観が同じだった。仲が良く笑顔が絶えない家族、当然ふたりとも子どもものぞんでいたものの、結婚後に妻から「子どもが欲しいと思えない」という本音を聞かされる。
「子どもは自分が責任をもって面倒を見るから産んでほしい」と懇願し、妻は妊娠。我が子がお腹の中で育っていく喜びに浸る妻に一安心したものの、出産後妻の「子ども嫌い」はさらに暴走していった。
その詳細を＜正直、話が違う…45歳夫《アプリ婚活》でまさかの大誤算…30代「妊活に乗り気の妻」が放った衝撃の告白＞につづきお伝えする。
持ち家購入と片道2時間の通勤
「じつは出産してからすぐに産後うつになって、それが悪化し現在も通院しているんです。人の期待に応えようと頑張りすぎてしまうもともとの性格が育児には合っていなかったのかもしれません。
私も仕事以外の時間は育児に協力しましたが、妻からはそれだけじゃ足りない、あなたが育てると言ったから生んだのに話が違うと言われてしまい、私もどうしたらいいか分からなくなったんです
しまいには『子どもは親に育ててもらおうかな』『里子にだしちゃおうか』と言い出しはじめて、これは本当にマズい状況だと気が付きました。
キレやすくなり話し合いもできない状況が続き、この先どうなってしまうんだろうと悩んだこともあります。仕事の間だけでも子どもを見てくれる人はいないか探したけど、それにはお金もかかるしそんな余裕はありません。
私の実家は遠方でそもそも頼れない。それで仲が良くないことは承知のうえで、義実家を頼ることを妻に提案したんです」
最初は反対していた妻も限界を悟ったのか最終的にはそれを渋々受け入れたそうだ。当初は、妻と義母の衝突が多かったが、その後は自分の母親に育児を頼れるメリットだと感じたのか、喧嘩もだいぶ減ったという。
妻の様子もだいぶ落ち着き、ヤマダさんは念願だった戸建てを購入。5000万円、35年ローンを組んだ。妻の育児を考えて、義実家宅に近い場所を選んだが、それによってこれまで1時間弱の通勤時間が、片道だけで2時間に増えた。
「まぁ……仕方がないと思ってはいるんですが、朝5時起床、22時帰宅では、平日子どもの面倒はまったくできません。一緒に夕飯を食べることも我が子をお風呂に入れることもできない。
それを不満に思っている妻からは、休日のたびに『子どもの面倒はあんたがやってよ！』と強い口調で迫られます」
結婚前とは打って変わり、すっかり感情の起伏が激しくなってしまった妻を気遣って、働きに出なくてもいいようにヤマダさんは残業を増やしている。
「私のお小遣いで子どもに何か買ってあげるなんてありえないと言い切る妻の意思を受け入れ、子どもの欲しいものをヤマダさんが買ってあげようと、飲み代を減らし自分で弁当に残り物を詰めてお昼代を節約しているものの、それにも妻は気に食わない様子だとヤマダさんは話す。
「以前から兆候はあったのですが、娘が小学生になったあたりからイライラをぶつけるようになりました。『下着が出ててみっともないんだよ！』『忘れ物するなふざけるな！』など、声を荒げて娘に怒鳴るんです。
娘は妻の怒鳴り声に萎縮し動けなくなってしまいます。私からも何度も妻に注意しましたが、『だから子どもなんて要らないって言ったんだよ！』と逆ギレ……。私が居ない間、娘にどんなひどいことを言っているのか、心配えたまりません」
「あなたが産めって言ったんじゃない！」
年齢が上がっていくにつれ、娘も妻に反抗し始めるようになった。その態度が気に入らない妻は、大声を出して睨みつけ威嚇したり、叩くなどの暴力も増え、最近では手や体をつねる虐待をしていることを娘から聞いて青ざめたという。
「娘の育児は、平日は義実家、休日は私がほぼ中心でやっていて、育児ストレスはないはずなのに、妻が何にイライラしているのか分かりません。娘が嫌な思いをしていると注意しようもんなら『あなたが産めって言ったんじゃない！』と怒鳴るばかりです。
離婚も何度も考えましたが、育児のために義実家近くに家を買ったので、その手前手放すこともままならないし、第一、ここからの距離では仕事と育児の両立も義実家なしではできません。私の両親は遠方に住んでいるのでそもそも頼れないし我慢するしかありません。
私の収入からの妻の小遣いを5000円程度で、金銭面的にイライラしている妻を見ていられなかったのか、最近、ママ友からアロマを勧められ、それがきっかけでネットワークビジネスを始めたんです。
始めたての時は、顧客獲得のためにSNSで活動が忙しいのか、娘に当たることが少なくなりましたが、なかなかお客さんが付かないようで赤字が続き、その補填に不用品を売ったりしているようです。でも、それもいつまで続くのか。不安を感じています。
もっと不安なのが、最近になって以前のイライラした妻に逆戻りしているので、正直、上手くいかないのなら辞めてほしいです」
妻のきつい態度に大きな影響を受けた娘は最近になって学校で問題を起こし、それもヤマダさんの悩みの種となっていると打ち明ける。
「学校の先生に下着を見せる、友達をつねる、「バカ」「アホ」と暴言を吐く、友達の持ち物を盗むなどを指摘されました。妻は学校からの報告を受けて、強く叱ったと言い放ちましたが、きっとただ怒鳴るだけだったんだろうと。子どもの気持ちをまったく考えない、中身の説教だったんだろうと想像できます」
「そんな妻でも飼い犬にだけは愛情を注いでいて、娘よりも大切にしているんです。散歩は欠かさず行き、月1回はトリミングサロンへ通い、家族のだれよりも身なりを整えてあげている。そのお金は生活費から出しています。
理由は犬は家族だから。それなら娘にかかるお金も生活費から出せばいいのにと思いますが、娘なんかにもったいないと。生活費のやりくりや家計簿も妻がつけているので私が勝手に使うことは許されません。
こんな状況の家庭ではありますが、唯一の救いは私に娘が懐いてくれていることです。週末のドライブ、公園遊び、ファミレスで食事は私と娘の二人だけ。妻は自宅でスマホ。この先どうなってしまうのか不安ではありますが、私が出来ることを精いっぱいやりたいと思います」
妊娠出産によりメンタルの不調を崩す人は珍しくなく、良かれと思って家族が支えようとしても上手くいかないケースも多いと聞く。
しかし家族の在り方に関する価値観は人それぞれだが、家族を傷つけるような言動は決して許されるものではない。第三者を交えて話し合いをするなどして、解決の方向へ進むようにしてほしい。
…つづく＜嫌がる息子に小学校受験をさせたら、思いがけない「地獄」が待っていた…40代主婦が絶句した次男からの「衝撃の一言」＞では、無理矢理受験をさせた結果、わがままに育ってしまった息子に手を焼く母親の実態をお伝えします。
