人でも生き物でもない無生物に性的な魅力を感じたり興奮を覚えたりする性的倒錯である「対物性愛」の女性が、9年間にわたってジェット旅客機を愛し続けたことを、ドイツの地元紙が報じました。飛行機結婚したいという女性の願いが成就することはありませんでしたが、別れた後も2人、もとい1人と1機は良好な関係を続けていると女性は語っています。

Frau aus Berlin wieder solo: Trennung nach neun Jahren Flugzeug-Sex | Regional | BILD.de

https://www.bild.de/regional/berlin/frau-aus-berlin-wieder-solo-trennung-nach-neun-jahren-flugzeug-sex-66e00a887ec3b15c6e1f6694

Woman, 36, reveals she’s split up with PLANE she claims she’s been dating for past 9yrs - but says ‘we’re still friends’ - The Sun | The Sun

https://www.thesun.co.uk/news/30392093/woman-boeing-plane-sexual-relationship/

Woman in a sexual relationship with an AEROPLANE for nine years says she has finally broken up with it 'but we're still friends' | Daily Mail Online

https://www.dailymail.co.uk/news/article-13838181/Woman-sexual-relationship-AEROPLANE-nine-years-says-finally-broken-friends.html

倉庫作業員の仕事をしているミシェル・ケブケ氏が飛行機と恋に落ちたのは、2014年3月11日のことです。ドイツのベルリンからスイスのバーゼルに向かう便を利用したケブケ氏は、その時に初めて乗ったボーイング737-800型に心を奪われました。

親しみを込めてボーイング737-800型を「Schatz(ドイツ語で宝物やダーリンの意)」と呼んでいたというケブケ氏は、「彼は私にとってはとても魅力的でセクシー。最も美しく造られた、魅力的でエレガントな航空機なんです」と語っています。



特に魅力を感じるのは主翼やその先端のウィングレットとのことで、ケブケ氏は「彼の翼に触れると、すぐに手のひらが汗ばんで興奮してしまいます。できることなら、恋人と結婚して格納庫で一緒に暮らしたい。それは誰も傷つけない特別な愛なのです」と話しました。

専門家は、無生物に心を引かれるケブケ氏のような対物性愛の人は、世界に40人ほどいるだろうと推定しています。

ドイツのタブロイド紙・BILDに対し、法医学精神科医のヴェルナー・プラッツ氏は「これはいわゆるパラフィリア、つまり性的嗜好(しこう)の障害ですが、それが苦痛や葛藤などの問題を起こしていない限り、病的で治療が必要なものには分類されません」とコメントしました。



ケブケ氏によると、2011年までは人間の男性と交際していたものの、恋愛感情はなかったとのこと。その後、2013年11月に初めて航空便を利用したことで飛行機にときめくようになり、2014年にテーゲル空港でボーイング737-800型を見て完全に夢中になったそうです。

できるだけボーイング737-800型と一緒に過ごしたいと考えたケブケ氏は、空港に就職しようとしましたが、対物性愛があることを理由に採用されませんでした。また、空港に立ち入るためのIDカードの発行も拒否されました。

そのため、ケブケ氏とボーイング737-800型が会えるのは基本的に飛行機を利用した旅行中のみ。空の恋路は旅費がかさむので、ケブケ氏はジェット機の模型を抱いて寝る日々を送るしかありませんでした。



ケブケ氏は一時期、世界で初めて同性婚を認めた国であり、おおらかな結婚様式を持つことで知られるオランダに渡ってボーイング737-800型と結婚式を挙げることまで考えたと言いますが、時間がたつにつれて徐々に関心が薄れ、最終的に約10年間にわたる恋愛関係を清算するに至りました。

航空機ファンが集うフリーマーケットで空港のお土産や飛行機グッズ300点を処分したケブケ氏は、BILDに「今でも彼と私は友だち同士です」と話しました。

なお、ケブケ氏が新しく興味を抱いているのは、中世の騎士のヨロイとのことです。



ドイツ人女性が物体と愛情を育んだというニュースが取り沙汰されるのは、これが初めてではありません。

2008年には、29年間にわたってベルリンの壁と交際していたという女性の悲恋が報じられたことがあります。伝えられるところによると、その女性はベルリンの壁が崩壊した後は庭の垣根に恋心を抱いていたそうです。

種別を超えた究極の愛、29年間ベルリンの壁と結婚していた女性 - GIGAZINE