「実力以上に評価される人」はメールの送り方が違う…「上司の上司」までCCに入れる「意外なワケ」

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「メールを送るときは、直属の上司はもちろん『上司の上司』までCCに入れたほうがいい」……。そう語るのは、元「楽天市場」史上最年少プロデューサーで、著書に『ハッタリの作法』がある大原昌人氏だ。爆速で出世したいなら今すぐ実践したいこのテクニックについて、くわしく教えてもらった。

CCの範囲を1.5〜2倍に広げよう

メールを使ったハッタリ技として「CCの範囲を1.5〜2倍に広げる」ことがおススメです。

若い読者の中には、「えっ」と引いてしまった方もおられるかもしれません。少し前にニュースになっていましたが、令和の若手社員の傾向として、CCに上司を入れたがらない人が増えているようなのです。

自分が書いたメールを見られるのが恥ずかしいとか、失敗が即バレてしまうのが怖いというのが主な理由だそうです。

しかしながら、CCに入れるべき関係者を入れずにメールをしていると、上司は「なんでコソコソやっているんだ」「見られたくないような、やましいことがあるのか」「本当に仕事をしているのか」などと変に勘繰ってしまうし、情報共有やフォローアップの面からも好ましくありません。

それに何より、上司をCCに入れておかないと、自分がどれだけ頑張って仕事をしているかが上司から見えず、評価されなくなってしまいます。

どんなにいい仕事をしても、それを見て、評価してくれる人がいなければ意味がありません。だから、メールでやり取りをするときは必ず上司をCCに入れること。それも、できれば直属の上司だけではなく、その上の上司も含めるようにする。

感覚的には、これまで「だいたいここまでCCに入れておけばいいだろう」と思っていた範囲の1.5〜2倍の関係者まで入れるようにしてください。

それだけで周囲から見える仕事の流通量が圧倒的に増えるので、「コイツは仕事しているな」ということが伝わるし、ふつうはCCに入れないようなお偉いさんまで入れておくと「私までCCに入れるということは、それだけ自信があるんだな」と勝手に解釈してくれます。

役員までCCに入れたことで高い評価に

私も楽天時代、このささやかなテクニックのおかげで役員からお褒めの言葉をいただいたことがありました。

入社2年目で、新入社員の教育係になったときのことです。教育係は、自分が受け持つ新入社員に毎日フィードバックのメールを送るという決まりがありました。

同じように教育係になった同期はみんな直属の上司だけをCCに入れていましたが、私は部署の役員やマネージャーが入っているCCグループも含めてフィードバックのメールを送っていました。

そうしたら、役員の1人がたまたま私と新入社員のやり取りに興味を持ってメールを読んでくれたようで、私の上司に「大原君はフィードバックも適切だし、後輩のことをよく見ているね」と伝えてくれたのです。

実を言えば、私はそこまで新人教育がうまいわけではなかったのですが、その役員はほかの教育係のフィードバックメールを目にする機会がなかったから、私だけがしっかり後輩に指導しているように見えたのでしょう。

その年の人事評価では、役員の言葉も一助になったのか、後輩育成力の項目において最高点をつけてもらうことができました。

もしも役員グループをCCに入れず、フィードバックメールを共有するのが直属の上司までだったとしたら、私の頑張りは役員の目に触れず、評価に結び付くこともなかったかもしれません。

なおCCは「念のため見ておいてください」というくらいの軽い意味あいで使われるもので、返信の義務などはありません。上司は軽く流し読みをして状況を把握するだけでよく、ほとんど負担にはならないので、安心してCCに入れてしまって大丈夫です。

ただ、まれにCCでメール量が増えることを嫌がる人もいるので、これまでCCに入れていなかった人を新たに追加する場合は、あらかじめ相手に「〇〇さん、何かあったときに見ていてほしいので、クライアントとやり取りする際CCに入れさせていただきますけど、基本スルーでかまいませんので、よろしくお願いします」などと断りを入れておけば、相手を不快にさせることはありません。

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このように、仕事で評価されるためには多少の「ハッタリ」は欠かせない。後編記事〈「爆速で社長まで上り詰めた人」がやっていたこと…じつは「上司の上司」とランチをするだけ〉でも引き続き、上司に対して効果的な「ハッタリの作法」を紹介しよう。

「爆速で社長まで上り詰めた人」がやっていたこと…じつは「上司の上司」とランチをするだけ