提示された2種類の昇給プラン。数字に隠された意外すぎる正解とは【論理クイズ】
自分の論理的思考力に自信はありますか?
「論理クイズ」「論理パズル」とも呼ばれる論理的思考問題は今、Google、Apple、Microsoftといった世界的有名企業で入社試験として出題され、「優秀な人材」を測る尺度として活用されているほど重要な指標です。
そんな論理的思考問題の傑作を世界中から収集し、解説した書籍『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』(ダイヤモンド社)では、自分のレベルを測りながら「地頭力」を磨くことができます。
本書から抜粋して、論理的思考を測る問題を出題します。SNSでも度々話題になるこの問題は、批判的な視点で冷静に考えることがポイントです。ぜひ試してみてください!
「数字」の罠を見抜けるか?
世の中には、数字のトリックを用いた甘い罠が多々存在します。そういった誘惑に対しても、批判的な視点で冷静に考えることができるでしょうか?
▼問題
あなたは上司から、2 種類の昇給プランを示された。
プランAは、1年に1回、10万円ずつ昇給していく。そして給料の支払いは、1年ごとに1年分。
プランBは、半年に1回、3万円ずつ昇給していく。そして給料の支払いは、半年ごとに半年分。
あなたはどちらのプランを選ぶべきだろうか?
プランAは年に10万円アップで、プランBは半年に3 万円アップ。どちらも何も、ねえ?(笑) こんなの一択じゃないですか(笑笑笑)
……そんなふうに考えていた時期が私にもありました。これもSNSで度々話題になる問題です。冷静かつ批判的に、考えてみましょう。
意外すぎる答え
これも正解の意外性が面白い問題なので、先にお伝えします。
じつは最終的には……
「プランB」の方がもらえる給料は多くなります。
不思議ですよね。さっそく検証していきましょう。
実際の「昇給ペース」を検証しよう
考えやすいように、あなたの1年間の給料を1000万円とします。「プランA」なら1年ごとに全額が。「プランB」なら半年ごとに半年分が、それぞれ支払われます。
まずプランAですが、向こう3年間で支払われる給料を検証すると、こうなります。
▼「プランA」を選んだ場合
1 年目:1000万円
2 年目:1010万円
3 年目:1020万円
3 年間の給与合計:3030万円
次にプランBは、こうなります。
▼「プランB」を選んだ場合
1年目:500万円+ 503万円=1003万円
2年目:506万円+509万円=1015万円
3年目:512万円+515万円=1027万円
3年間の給与合計:3045万円
なんと、プランBは1年目終了の時点でプランAの年間給与を超えます。そして、そのまま両者の差はどんどん離れていきます。
なぜこのようなことが起きるのか? それは……
「プランB」の方が昇給ペースが早いからです。
支払額で比べてみる
支払額を年で区切って見てみると、「プランA」は1年間で10万円増えていますが、「プランB」は1年間で12万円も増えています。
これは、1年を前半と後半に分けて考えると気づけます。
▼プランAの場合の今年の給与
(1年前の前半の給与+1年前の後半の給与)+10万円
であるのに対し、
▼プランBの場合の今年の給与
(1年前の前半の給与+6万円)+(1年前の後半の給与+6万円)
になっているためです。
それぞれ図で示すと、次のページのような感じです。
●プランA(1年に1回、10万円ずつ昇給)
●プランB(半年に1回、3万円ずつ昇給)
プランBの場合、「半年に3万円ずつ=年間6万円の昇給」と考えがちですが、実際に手にする金額は前年より12万円増えるのです。
◇正解
「プランB」を選ぶべき
考え方のまとめ
かなり巧妙でわかりにくい罠がありましたね。理屈はわかりそうだけれど、なかなか腑に落ちない面白い問題でした。上司から似たような昇給チャンスを与えられたとき、間違えないように注意しましょう!
●Point
時間軸が異なるものの比較は直感の罠にはまりやすいので、しっかり検証する姿勢が大切。
ついつい直感で解いてしまう論理的思考問題。論理的に考えることはできましたか?『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』(ダイヤモンド社)は古典的名作からSNSで度々バズる話題作まで、思考を高める67問がわかりやすい解説とともに紹介されています。
読んで理解するだけでも賢くなる本書。ぜひ身近な人とトライしてみてください。
『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』4は、思考の柔軟さが求められる、完全に発想力だけの問題です。ぜひ試してみてください!