天国と地獄の見極め方は?発想力では解けない、論理思考の基本とは【論理クイズ】

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自分の論理的思考力に自信はありますか?

「論理クイズ」「論理パズル」とも呼ばれる論理的思考問題は今、Google、Apple、Microsoftといった世界的有名企業で入社試験として出題され、「優秀な人材」を測る尺度として活用されているほど重要な指標です。

そんな論理的思考問題の傑作を世界中から収集し、解説した書籍『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』(ダイヤモンド社)では、自分のレベルを測りながら「地頭力」を磨くことができます。

今回は、本書から抜粋して、論理的思考を測る問題を出題します。発想力ではなく、純然たる論理力が試される問題です。ぜひ試してみてください!

裏の裏まで考えられるか?

あなたの目の前に分かれ道がある。

どちらかが天国行きで、どちらかが地獄行き。

分かれ道には2人の門番が立っている。

それぞれ「いつも真実を言う天使」「いつも嘘をつく悪魔」のどちらかだが、外見上は見分けがつかない。

あなたは2人の門番のどちらかに、「Yes」「No」で答えられる質問を一回だけできる。

どのように質問すれば、天国行きの道を知ることができるだろうか?

考え方のヒント

質問できるのは1回だけ。相手が天使なのか悪魔なのかわからない以上、質問したところで意味のある回答が得られるとは思えないのですが……。ここで必要になるのが論理の力。発想力ではなく、純然たる論理力が試される問題です。

●ヒント1

どちらが天使で、どちらが悪魔かを見分ける必要はない

●ヒント2

「天使に聞いても悪魔に聞いても確実に天国への道がわかるような質問」をしなければならない

●ヒント3

(−1)×(−1)=1

「ウラ」の裏は「オモテ」

相手が天使なのか、悪魔なのかはわからない。そして、質問できるのは1回のみ。論理的に考えるとこれは、天使に聞いても悪魔に聞いても答えがわかる質問をするしかありません。「そんな質問があるのか?」と思うかもしれませんね。でも、あるんです。ここで登場するのが、「二重質問」という手法です。

具体的には、

『「●●●?」と尋ねたら、あなたは▲▲▲と答えますか?』という型の質問です。

1つの文に2つの「?」が入っているように、2つの質問を合体させた聞き方です。

この聞き方をすることで、

天使に聞いたら「1×1=1」に

悪魔に聞いたら「(−1)×(−1)=1」に

と、どちらも同じ答えになるのです。

この手の問題の基本解法となるので、ぜひ覚えておいてください。

悪魔に真実を言わせる方法

今回の場合、この「二重質問」を駆使すると、一方の道を指差して、

「『この道は天国行きですか?』と尋ねたら、あなたは『Yes』と答えますか?」

と質問するのが最適解になります。

質問したのが天使だった場合、回答は以下のようになります。

「Yes」という答えが返ってきたらその道へ、「No」という答えが返ってきたら別の道へ進めば天国に辿り着きます。とくに問題はありませんね。

さて、ポイントとなるのは、質問した相手が悪魔だった場合です。同じように表にしてみましょう。

注目したいのは、後の質問に答えるときの悪魔の脳内です。

あなたが尋ねた道が天国行きの場合、「この道は天国行き?」という質問への回答は「No」になります。ところが、「〜と聞いたらYesと答える?」と聞かれているため、悪魔は再び嘘をついて「Yes」と答えることになるのです。

反対に、尋ねたのが地獄行きの道の場合も、同様のロジックが働きます。

「この道は天国行き?」という質問への回答は「Yes」になりますが、「〜と聞いたらYesと答える?」と聞かれているため、悪魔は再び嘘をついて「No」と答えることになるのです。

すなわち、この質問を悪魔に投げかけた場合も、「Yes」という答えが返ってきたらその道へ、「No」という答えが返ってきたら別の道へ進めば天国に辿り着きます。

正解は......

この質問をしたところで、質問した相手が「天使」なのか「悪魔」なのかはわかりません。ですが、天使と悪魔への質問の対応結果をご覧ください。

いずれの場合も、「Yes」ならその道が、「No」なら別の道が天国行きの道であるという状態です。

これであなたは、たった1回の質問で、確実に天国への道がわかるようになりました。

◇正解

「『この道は天国行きですか?』と尋ねたら、あなたは『Ye s 』と答えますか?」と尋ねる

考え方のまとめ

嘘の嘘をついた結果、真実を言ってしまった哀れな悪魔。「門番のどちらが天使/悪魔なのか」ということは最後までわかりませんが、とにかくこの手順でなら天国への道がわかります。同じ質問なのに、正直者も嘘つきも同じ回答をしてしまう。まさに論理の神秘と言えます。

「二重質問」のテクニックは今後の問題でも登場するため、覚えておいて損はありません。

●point

「『それが〜か?』と尋ねたら、あなたは〜と答えるか?」と二重の質問をすることで、嘘つきにも真実を言わせることができる

ついつい直感で解いてしまう論理的思考問題。論理的に考えることはできましたか?『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』(ダイヤモンド社)は古典的名作からSNSで度々バズる話題作まで、思考を高める67問がわかりやすい解説とともに紹介されています。

読んで理解するだけでも賢くなる本書。ぜひ身近な人とトライしてみてください。

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