伊藤健太郎(C)日刊ゲンダイ

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 再起を図ろうとしている俳優・伊藤健太郎(27)の雲行きが怪しい。伊藤は2020年10月、道路交通法違反などの容疑で逮捕され、後に不起訴処分になるも謹慎。一時期は俳優復帰は厳しいとみる向きもあったが、当時所属していたイマージュエンターテインメントのサポートもあり、21年6月に芸能活動を再開した。

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 今年4月期の「街並み照らすヤツら」(日本テレビ系)で地上波ドラマに復帰するなど、順調にも見えるが、そんな中での伊藤の発言が物議を醸している。本格復帰の足掛かりとなる「静かなるドン」の実写化続編である映画「静かなるドン2」のインタビューで、伊藤は「最初は原作も読まなかったです。ある程度、自分の中で静也をつかめたタイミングで1、2話を読んだくらいです」(14日配信のENCOUNT)と語った。香川照之(58)が過去に主演を務めた実写シリーズ作もあえて見なかったという。

 伊藤の代表作「今日から俺は!!」についても、最初は原作コミックを読まなかったと明かし、「生身の人間がやるなら、いい意味で原作を超える部分を作っていかないと思っています」(同)と俳優としての持論を述べている。

 これに対し、SNSでは《百歩譲ってその人の流儀だとしても、わざわざ言ったのが残念》《「原作読んでない」をメディアに対して言う必要は全くない。この人に関しては、「そういうところやぞ」としか言えない》と、原作へのリスペクト欠如ともとれる発言をしたことに、疑問を抱く声が上がっている。

「昨年10月期に放送された日テレ系ドラマ『セクシー田中さん』の原作者が、ドラマ化にあたっての条件などをめぐる制作側とのトラブル後に死去したという一件以降、原作と原作者へのリスペクトを重視する流れになっています。今、伊藤さんが今回の発言をあえてしたところに、彼の危うさが表れていると思います。実写化作品で俳優としての実績をつくってもらったにもかかわらず、原作を読まないと明言するのは、《原作者に失礼だ》ととられても仕方がないでしょう」(ドラマ制作関係者)

 大前提として不祥事から再起を図っている段階で、伊藤がまだ仕事の流儀を語れる段階にないとみる向きもある。今後、伊藤に対する実写化作品の出演オファーにも影響が出そうだ。

「例えばなんの不祥事もなく、実写作品で特に高い評価を得ているということであれば、原作を読まない役づくりにも説得力が生まれてくると思います。それでも監督や主演が原作のファンで、実写化にあたって、忠実に再現しようとしているかもしれない。最近は特に映像界ではその流れが顕著です。それなのに『原作を読まない』と言い切る伊藤さんの姿勢では、熱意のある制作者との足並みが乱れかねません」(同)

 小栗旬(41)が社長を務めるトライストーン・エンタテイメントへの移籍も秒読みだが、大手芸能事務所の後ろ盾ができたとしても完全復活は、しばらく先になりそうだ。