5回、2試合連続本塁打となる52号2ランを放つ大谷(提供・共同通信社)

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 「ドジャース6ー4ロッキーズ」(20日、ロサンゼルス)

 「フリーランドもびっくりしてるはずだ」。試合後の記者会見場。ドジャースのロバーツ監督がそう言って振り返ったのは、1点ビハインドの五回に大谷が放った52号2ランの場面だ。

 フルカウントから左腕が投じた内寄り高め、ストライクゾーンを外れた直球をたたくと、飛距離129メートルの打球が中堅フェンスを軽々と越えた。悪球打ち。指揮官は「胸の位置より高かったんじゃないかな。ボールだろう。でも、彼にはあのコースを飛ばすスイングスピードがある。きょうの試合で高めのボールはほとんどなかったけどね」と言ってからマウンド上の投手の心情を代弁する冒頭の言葉を口にした。

 大谷は前日に敵地マイアミで行われたマーリンズ戦で3打席連発を含む6安打、10打点、2盗塁を記録し、史上初の50本塁打−50盗塁(最終的には「51−51」)を達成。指揮官は「今の彼が絶好調なのは明白だ。集中力が高まっている。ストライクゾーンを外れる高めのコースでも捉えられるほど神経が研ぎ澄まされている。本当に感心させられる」と自己分析した。

 試合前の会見では「60−60」が話題になった。ロバーツ監督は「もしかしたら彼は狙ってるかもしれない。そこは誰にもわからない」と冗談言ってから「現実的ではない話だが、彼なら何でも可能にするよ」と続けた。残り8試合で8本塁打、8盗塁。不可能な記録ではないと思わせるほど、今の大谷には勢いがある。