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 阪神・岡田彰布監督(66)が19日、逆転連覇へ自信を漂わせた。ナゴヤ球場での指名練習を見守った指揮官は、18日に巨人に優勝マジックが初点灯したことにも動じず。先発陣の間隔を詰めて起用している巨人とは対照的に、22日からの直接対決2連戦(甲子園)では中7日で才木、中9日で高橋と万全の状態で送り込めると強調。きょう20日からのDeNA戦(横浜)ではビーズリーを救援待機させ、“ジョーカー”として駆使する。

 ナゴヤ球場裏にあるベンチにどっしりと腰を据えた岡田監督は、前夜に首位・巨人に初めて優勝マジック「9」が点灯したことを振られて一笑に付した。

 「そんなん全然関係ない。11試合で9やろ、そんなん(笑い)。ウチの2試合引いただけか。そやろ」

 全試合を消化した時にライバルを追い越して一番上の位置に立つことしか考えていない。現に、きょう20日からの4連戦で立場を一気に逆転できる。球団初のセ・リーグ連覇に向け、事実上の巨人とのマッチレースを制する勝算にも言及した。

 「(巨人は)中4とかなあ、中5日でみんないっとるけど」

 巨人の先発陣はシーズン最終盤で菅野、戸郷、グリフィンらの登板間隔を詰めて起用するフル回転態勢を敷いてきた。22日からの直接対決2連戦でも23日の2戦目には中4日でグリフィンをぶつけてくる見込み。対照的に、阪神はここまで中4日はもちろん、中5日での起用も一度もない。岡田監督も「中5も誰一人いってない。(今後も)もう、ないない。高橋も(中)9、9や。全然もうな、万全のある程度態勢でな、投げられるから」と酷使していない先発陣を送り込めることが強みだと強調した。

 さらに、巨人は20日は東京から広島に移動して2連戦を戦い、その後も甲子園への移動ゲームとなる過酷な日程。指揮官は「2試合の移動、移動で6連戦の最初(18日のDeNA戦)で延長12回はきついで。ピッチャーも」と、自軍は今後最長でも4連戦という日程面でのアドバンテージにも触れた。

 最大の命運を握る22日からの2連戦を前に弾みをつけるべく、次戦では“秘密兵器”も準備。「2、3イニングいけるからな」と先発で8勝を挙げているビーズリーをブルペンに入れ、DeNAの牧、オースティン、宮崎ら右の強打者にぶつける“ジョーカー”として待機させる。

 巨人はこの日、ナイターでDeNAに勝ってマジック「8」に。阪神とのゲーム差は2に広がった。しかし、現在5連勝中で9月は11勝3敗と、岡田監督のタクトを振る手にも手応えがにじむ。「ミーティングで俺、何も言うてないよ。昨年優勝して、こっから追い上げる大事なゲーム、残り何試合で自分がどういう戦いせなあかんか、言わんでも分かってる」。残り9試合。王者の強みと底力が、今こそ発揮される。(遠藤 礼)

 ○…首位・巨人を2ゲーム差で追う2位・阪神は、最短で23日に優勝へのマジック点灯が可能。きょう20日からの4連戦で阪神が4連勝、巨人が4連敗した場合、23日に阪神に「M4」が初点灯。この場合の最短V決定は27日になる。なお、阪神は4連戦中に引き分けを含んだ星取りでも23日のマジック点灯が可能だが、負けないことが必須条件だ。

 ≪ビーズリー必勝ハチマキで練習参加≫阪神・ビーズリーは甲子園で行われた投手指名練習に「必勝」ハチマキを締めて参加した。ファンにもらったものだそうで「周りの(投手陣の)反応も良かった。“必勝”というものをみんなに見せるのも、みんなにとってもいいのかなという気持ちがあった」と笑顔を見せた。きょう20日のDeNA戦からはリリーフ待機する予定。昨季は救援として12試合に登板した右腕は、キャッチボールなどで調整し「残りの9試合をどうやってチームで全部勝っていくかが大切」と意気込んだ。