ヤマハ発動機は、同社スポーツ電動アシスト自転車(eBike)・YPJシリーズより「WABASH RT(ワバッシュ アールティー)」「CROSSCORE RC(クロスコア アールシー)」の2024年モデルを10月9日に発売する。また「CROSSCORE RC」ではYPJシリーズ初のコネクテッド機能を搭載したモデル「CROSSCORE Connected(クロスコア コネクテッド)」もラインナップに加わる。発売に先駆け、メディア向け試乗会の様子をレポートしよう。

○新型ドライブユニット&新カラーに一新した2024年モデル

ヤマハ発動機のeBikeブランド「YPJ」より、2022年に発売された「WABASH RT」「CROSSCORE RC」。ヤマハ発動機が培った走行性能の高さとスタイリッシュなデザインでユーザーからの支持を得ている2製品の2024年モデルは、軽量化とサイズダウン、最大トルク向上を実現した新型ドライブユニット「PWseries S2」の搭載と、より自然なフィーリングで走行可能になったオートマチックアシストモードのアップデート、またライフスタイルに寄りそうカラーリングの3点がアップデートされている。

○「WABASH RT」

「WABASH RT」2024年モデル(メーカー希望小売価格 463,100円)

自転車マーケットでのグラベルブームも高まるなか、「WABASH RT」は「いろいろ使えそう。ONもOFFも。」をコンセプトに、オンロードでもオフロードでも高い走行性を発揮するモデルだ。オフロード走行に適した1×11スピードのシマノGRX、タイヤは700×45Cグラベルロード用タイヤを採用している。またアップダウンや荒れた路面での振動吸収に役立つ、手元のスイッチでシート高さの調整ができるドロッパーシートポストもうれしいポイントだろう。



カラーは、ヤマハ発動機が考えるグラベルeBikeの世界観を表現したというマットショールグレーとマットストーングレーの2色展開。少しツヤ感のあるマット塗装は、昨今の自動車やバイクでもトレンドになっているそう。アクセサリーマウント(ダボ穴)があるので、ボトルゲージやバッグなどを取り付けてカスタムも楽しめる。

奥は現行モデル、手前は新モデル。ぎゅっと小さくなったことが分かる

新型ドライブユニット「PWseries S2」は、現行モデルに比較して約16%の軽量化、約7%のトルク向上を実現し、ボディは約20%小型化している。小型化したことで障害物がある路面での走行性能が上がったことはもちろん、上り坂や細かいアップダウンのある路面でも、力強くグイグイとアシストしてくれるので、走る楽しさに集中できる一台だ。



○「CROSSCORE RC」

オフロードでも活躍する「WABASH RT」に対して、「CROSSCORE RC」はさらにカジュアルなクロスバイクタイプのeBikeだ。「365days,1bike」をコンセプトに、自転車に乗ることで健康増進や環境問題への貢献につなげたい方をターゲットとしており、通勤にレジャーにと毎日乗りたくなるモデルだろう。

「CROSSCORE RC」2024年モデル(メーカー希望小売価格 341,000円)

カラーは、「シティ」「アクティブ」「ネイチャー」というテーマを軸に、シンプルな「スペースグラファイト」に、高級感のある「マットブロンズ」、ユニセックスな「カーキジェイド」の3色を展開。元々のデザインがシンプルなモデルなので、「マットブロンズ」「カーキジェイド」といった個性的なカラーが目を引く。

また性能面では「WABASH RT」同様「PWseries S2」を搭載。また路面の継ぎ目での衝撃を緩和するSR SUNTOUR製フロントサスペンションフォークや、新たにコンポーネントは耐久性と変速性を向上させた1×9スピードのシマノCUESを採用している。



○スマホアプリと連動したコネクテッド機能搭載モデルも登場

そして今回注目したいのが、YPJシリーズ初となるコネクテッド機能を搭載した「CROSSCORE Connected」だ。ライドログはもちろんのこと、eBikeに乗るうえで気になる充電のタイミングやメンテナンスに関する情報など、スマホアプリを介してサポートしてくれるので初めてeBikeに乗る方にもお勧めしたいモデルだ。

YPJシリーズ初のコネクテッド機能を搭載したモデル「CROSSCORE Connected」(メーカー希望小売価格 366,300円)

「CROSSCORE Connected」は、国内需要が高いクロスバイクタイプの「CROSSCORE RC」と基本スペックを同じとするモデルに、大型のディスプレイを搭載している。Bluetooth通信が可能なこのディスプレイでは、電動アシストのモード切替に加えてヤマハ発動機が自社で企画・開発したアプリ「YAMAHA e-Bike Link」とリンクした情報が表示され、安心なライドと新しい楽しみ方をサポートするという。



電動アシスト自転車に載っていると気になるのがバッテリー残量。「YAMAHA e-Bike Link」では、離れた場所でもアプリ上で最終接続時のバッテリー残量が確認できる機能や、バッテリー残量が減った状態で自宅など登録した場所に近づくと充電を促すバッテリーリマインドの通知を行うため、「うっかりバッテリーが切れてしまった」というトラブルも防げそうだ。



また「メンテナンスノート」では、走行距離もしくは経過時間をもとにメンテナンス情報を提供する。メンテナンスの方法やポイントを画像で説明してくれるほか、作業内容やかかった費用を記録する機能もあるので、過去に行ったメンテナンスの時期や履歴といった情報をアプリ内に蓄積していくことができる。



他にも走った距離が記録されるライドログや、既定の速度(30Km/h)以下の安全運転をした時や、ライトオン、長時間運転をした際に休息を促す通知など、セーフティライドをアシストする機能も備わっている。eBikeを購入した後も、長く安全に乗るためのサポートをしてくれる心強い味方になってくれそうだ。

なお、ヤマハ発動機では今秋YPJシリーズに触れる体験機会も続々と実施する。9月7日に千葉・ロングウッドステーション(千葉県長生郡長柄町)で開催される「YPJ Fan Meeting 2024」では、「WABASH RT」「CROSSCORE RC」「CROSSCORE Connected」の先行試乗ができるYPJ大試乗会を開催、9月28日にはJR桜木町駅前広場で体験イベント「YPJ Café」、10月13日には横浜みなとみらい周辺でYPJに乗ってのショートトリップも企画している。より最適なアシストとスタイリッシュなデザインに進化した最新のYPJにぜひ触れてみてはいかがだろうか。