子ども時代「お母さんがごはんを作るのは当たり前」の私が3歳息子から受けた仕打ち
X（旧Twitter）で子育ての思わずクスっとしてしまう出来事を日々ポストし、話題を集めている「ひみつのうつ子ちゃん」(@utuko_chan)。「いいね」1万超えも多数！ 人気の秘密は、「あるあるの共感力」です。そんな話題のポストでは書ききれなかったエピソードをうつ子ちゃん自身が執筆。
うつ子ちゃんの3歳の息子は、現在、野菜が苦手な偏食ボーイ。栄養面を考えながら、どうしたら食べてくれるかを考えるのが大変だといいます。そんなある日のランチで起きた出来事で、うつ子ちゃんは自身の過去を振り返り深く反省したといいます。Xでも共感の声が多かったエピソードをご紹介します。
『虎に翼』を見て、母の苦労を想い出した
みなさん、きのうの晩ごはんのメニューは何でしたか？ そしてそのメニューは誰が作ったでしょうか？ 私は結婚するまで実家暮らしをしていましたが、恥ずかしながら毎日母に作ってもらっていました……。子どもの頃は息をすることと同じくらい、何の疑問も抱くことなく、お母さんがごはんを作ることは当たり前だと思っていました。
8月26日に放送されたNHKの朝の連続ドラマ『虎に翼』で、伊藤沙莉さんが演じる寅子が新たに、岡田将生さん演じるパートナーの星航一の実家に同居する場面が描かれました。その星さんの家には、息子と娘、そして余貴美子さんが演じる継母の百合さんがいました。亡くなったおじいちゃんの再婚相手なのだからお祖母ちゃんでもあるはずなのに、百合さんは星家では女中のような扱いだったのです。「ごはん」といえば和食の朝定食が、「パン」といえば完璧なブレックファーストを出す百合さん。子どもたちも航一も何も疑問を持たずに百合さんに「やってもらうのが当たり前」の姿に、寅ちゃんも娘の優未ちゃんも唖然としたのです。
見ていた私もモヤモヤ、みんな百合さんにひどすぎる！ と思ったものの、あれ？私も若い頃そうだったんじゃない!? とハタと気づきました。
家を掃除するのも、洗濯も洗い物も母……。母は専業主婦だったのですが、今思えば本当に苦労をかけてしまったなぁと、深く反省しました。父は優しい性格ではあったものの、公務員、仕事一筋という感じで家事は一切しませんでした。当時の母を想い出すといつもイライラピリピリしていて、それでもって中学生の頃からの私は超がつくほどの反抗期。先生からは真面目な子扱いをされていたのですが、家の中では超ヤンキー（笑）。母があー言えば倍返しどころではなく5倍返しでこー言う、みたいな娘で、それはもう母は大変だったと思います。中学の卒業式に母に撮ってもらった写真の写りが気に入らず、文句を言いまくって、母にブチギレられた記憶もあります。中学生最後の日にやらかしていましたね……。お母さん、本当にごめんなさい……。
母は今でも「あの頃は本当にしんどかった」と私に会うたび言ってきます。そんな母親の苦労＆苦悩は、子育てをしている今になって、ようやく私も“自分ごと”になり、理解できるようになりました。息子と向き合う中で、息子の姿が自分に見えることも多く、その度に穴に入りたくなるような気持ちになります。本日はそんな過去の私が母を振り回してきたように、3歳息子のワガママに振り回される現在の私の白目エピソードをお届けしたいと思います。
息子のリクエストでお昼はカレーに決定！
お休みの日のランチタイムに「ねぇ、お昼ごはん何たべたい？」と息子に聞きました。勝手に作って出してもいいのですが、息子は2歳のイヤイヤ期が始まった頃から“食わず嫌い”の偏食ボーイと化しています。勝手に作って出した食事を「おいしい！」と言って食べることはめったにありません。それでも出した食事は「食べなさい」で済めばいいのですが、「食べなさい」「食べてみて」「おいしいよ」と言うたびに、息子の口は閉じ、チャックが固く閉められてしまうのです。このやり取りで何度泣かされたことか……。
せっかく作った食事を無駄にしたくないし、できれば、機嫌良く食べてほしいので、事前に何が食べたいかを聞いてから作って出しています。この日もいつものように息子に聞いてみると「カレーが食べたい」とニンマリする息子。カレーは次の日も使えるので、親としては大助かりなメニューです。さっそくカレーを作りました。
偏食ボーイの息子は現在、野菜は食べてくれません。今まで何度も野菜を食べさせたいとアレコレ試行錯誤してみたのですが、緑の野菜は本当に食べません！ ペースト状にしても質感や香りを消しても、野菜イヤイヤセンサーがついているように探し出して食べないのです。でも、カレーだとにんじんと大根ときのこくらいは食べてくれることが多いので、息子が食べやすいように小さめにカットして作りました。
以前の記事でもお伝えしたと思うのですが、意外と大根はカレーと相性がよくて、子どもも嫌がらないことがわかりました。そして大人用に辛口、子ども用に甘口を作るというご家庭も多いのかなと思いますが、特段料理が好きなわけではない私はそんな面倒なことはせず、息子に合わせて大人も甘口カレーを食べます。夫は甘口カレーに一味をドバーッとかけています……。
カレーをリクエストしたのは一体誰？
そんな我が家の甘口カレーを腹減り息子の目の前に運ぶと、「ママ？ やっぱりうどんが食べたい！」って言うわけですよ……。
真夏のキッチン、火を使った料理ってクーラーをつけた部屋でも汗だくに。そんなママの苦労も知らずに「うどんがいい」だと……ちょ…！カレーがいいって言ったからカレー作ったのに……！ でも、そんな私の主張は息子には通用せず、息子は「うどんがいいのぉぉぉおお！」と泣き出します。この経験、この絶望感、味わったことがある方きっと多いはずです。
こんなときはいつもドラえもんの『畑のレストラン』に想いを馳せます。育てた“かぶ”を割ったら中からカレーやかつ丼やラーメンが入っている、あの魔法の“かぶ”です。今まで何度あの“かぶ”がほしいと思ったことか……。毎日献立を考え、料理をするだけでも大変なのに、せっかく作ってだした料理を「コレイヤー！ 他のがいい」とか言われるとたまったもんではないですよね。
えぇ……、そしてここで、想い出すのです。遠い昔の記憶を……。そうです、私も言うてました。母に言うてました。せっかく焼いてくれたお魚を見て「焼き魚いらない！ あったかいおそばが食べたい！」と駄々をこねていました。昔の自分に往復ビンタです。バックドロップです。親の心子知らず、とはまさに私のことでもあったのです。何十年と経ってから、あのときの母親の気持ちが手に取るようにわかるのです。そしてこうも思いました。愛は時を超えて伝わることもあるんだなぁと。母にはもっともっと感謝を伝えなきゃと、我が子の子育てに翻弄するたびに思います。
我が家の対策は甘口カレーのように甘いのか？
さて、カレーを出したのにうどんが食べたいと言われたときの我が家の対処方法ですが、だいたい私は、以下の3パターンで対処しています。
1）「うどん食べたいよね」とまず受け入れてから「じゃぁカレー食べてから、まだお腹が空いていたら、その後にうどん作るね」と言ってみる。決して「うどんは作らない」とは言わないように気をつけます。言った瞬間にギャン泣きコースです。
2）「うどん食べたいよねぇ」と、またも受け入れてから「そういえばさぁ……」と話題を変えてみる。そしてうどんの存在を忘れた頃にしれっ〜とカレーを机の上に置いてみる。
3）「かしこまりした！ すぐにうどんを作らせていただきまぁぁぁす！」と潔く諦める（笑）。最近はこれが一番遠回りのようで近道だと悟りました。私は結構、3つ目の“潔く諦める”を選択することが多いです。
みなさんはこんなときどうされているでしょうか？ X上のコメントやいただいたポストを見ていると、我が家と近からず遠からずで、みなさん子どもの食事には悩みや怒りが溜まっている様子……。これはマネをしてみたいと思ったのは、「苦手な野菜もカレーとかにして、一緒に作ると、不思議と食べてくれる」「調理法を変えて、バーベキューみたいにすると野菜も食べてくれた」という意見もあって参考にしてみたいな、と思いました。
私の対策は、我が家のカレーのように「甘い！」と言われてしまうかもしれません。ただいつもこんなにも甘やかしているというわけでもなく、ついついガミガミ言い過ぎてしまうときもあり、息子に物事を伝える難しさに頭を悩ませております。息子が3歳ということは、私もまだ母親3年生。これからも日々精進ですね。たくさん間違うことだってあると思います。そんなときはきちんと謝りながら、家族みんなが幸せ暮らせるようにまずは自分の幸せを追求していきたい、そんなふうに思っています。ワッショイ！
