卓球混合ダブルスの表彰台で韓国選手(右)の自撮りに応じる中国ペア(中央)と北朝鮮ペア=7月30日、パリ(聯合ニュース)

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【ソウル聯合ニュース】パリ五輪に出場している北朝鮮選手に五輪スポンサーである韓国・サムスン電子のスマートフォンを提供したのは国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議に違反している可能性があるとの指摘について、韓国の外交部当局者は8日、安保理決議により、すべての産業用機械類の北朝鮮への供給、販売、移転は禁止されているとし、「スマートフォンはこれに該当する禁輸品」との見解を示した。

 統一部当局者も記者団に対し「対北制裁違反の可能性がある」としながら、「(違反の有無に対する)最終的な答えはIOC(国際オリンピック委員会)でしなければならない状況」と述べた。

 IOCはパリ五輪に出場した選手全員にサムスンの折り畳み式スマホ「ギャラクシーZフリップ6」を提供した。

 米政府系のラジオ自由アジア(RFA)によると、北朝鮮の国内オリンピック委員会(NOC)も選手村にあるサムスン体験館でスマホを一括して受領したという。

 2018年の平昌冬季五輪の際は大会組織委員会が制裁違反を懸念し、北朝鮮選手にはサムスンのスマホを帰国前に返却する条件で提供するとしたが、北朝鮮が受け取りを拒否していた。平昌五輪以降、制裁の規定に変更はないものの、今回は条件なしで北朝鮮選手にサムスンのスマホが提供されたとみられる。

 IOCはRFAに対し、「北朝鮮はスマホを(帰国前に)返却する義務がない」と明らかにした。北朝鮮選手へのスマホ提供は制裁違反ではないかとの質問にはまだ回答していないという。

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