(写真:アフロ)

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7月7日に投開票が行なわれた東京都知事選で、一躍その名を轟かせた広島県・安芸高田前市長の石丸伸二氏(41)。選挙の結果は2位だったが、各選挙特番での言動に有権者からは厳しい視線が注がれている。

日本テレビ系の選挙特番『東京都知事選挙2024 開票速報』では、今回の都知事選で“政治屋の一掃を掲げている石丸氏に対して、同局解説委員の小栗泉氏が「東京をよくしたいというだけではない。(出馬するのは)国政でもいい、広島でもいいというのは政治屋とは違うのか?」という質問。しかし石丸氏は「そりゃそうだと思いますよ。自分が当てはまっていたら、洒落にならない」と一笑に付した。

しかし“自身と政治屋の違い”について答えなかったため、古市憲寿氏(39)が「批判する政治屋と石丸さん自身がどう違うんですか?」と尋ねたところ、石丸氏は「なんか堂々巡りになっている気がするんですけど、先ほど定義についてはお話ししましたよね」とコメント。古市氏が「批判する政治屋と自分が体現している“政治家”とどう違うんですか?その定義を聞いています」と問い直すと、「さっき答えたばかりです。もう一回(定義を)言えってことですか?」と言い、答えは得ることができないまま結果的にタイムオーバーとなった。

またTBSラジオの『開票LIVE2024〜カオス!東京で何が起きていたのか』で荻上チキ氏が「今回の都知事選挙、手応えを感じたと先ほど発信もされていましたが、特にどんな点、手応えを感じた選挙だったのでしょうか?」と尋ねると、石丸氏は「うん?どのくだりをされてらっしゃいます?」と逆質問。

そこで、荻上氏は「先ほどぶら下がりの中で、今回の選挙、自分たちは頑張ったと、走りきったというような話をされてたと思うんですが。はい。特にどういったところに力を入れて、どんな手応えをお感じになりましたか」と聞いた。

ところが、石丸氏は「手応えの話じゃないですよ、それ。自分たちができることを全部やったという意味です。はい。で、何かの反応では。反応ではなくて、自分たちの実感の話をしました」と述べ、ここでも噛み合わない。

さらに石丸氏はTBSテレビ系の選挙特番で「(2位に浮上した)要因はどのように、とらえていらっしゃいますか?」と聞かれた際、「勝ち負けという表現がこの選挙にはそぐわないなと思っています。結果はあくまで都民の総意が可視化されただけ」とコメント。JX通信社・米重克洋氏の「善戦したという受け止めなのか?」という質問には、「なんという愚問」と一蹴するなど、質問に真っ向から答えない場面が目立つことに。

■「進次郎構文のほうがマシなのワラ」

こうした石丸氏の受け答えはSNS上で“高圧的”と批判されるだけでなく、「石丸構文」と名付けられ、一時はXでトレンド入りするなど拡散している。そんななか、石丸氏と比較されているのが、自民党の小泉進次郎議員(43)だ。

進次郎議員は’19年9月、環境大臣だった当時、福島県を訪問。記者から福島第一原発事故で発生した除染廃棄物について「45年3月までに県外で最終処分をすることは大きな課題」「その最終処分場の検討が進んでいない。現状や見通しについて見解をいただきたい」と問われたところ、「これは福島県民の皆さんとの約束だと思います」「その約束は守るためにあるものです。全力を尽くします」と発言。そこで、記者が「具体的には?」と尋ねたところ、こう答えた。

「私の中で30年後を考えた時に、30年後の自分は何歳かなと発災直後から考えていました。だからこそ私は健康でいられれば、30年後の約束を守れるかどうかという、そこの節目を見届けることが、私はできる可能性のある政治家だと思います」

また同月、「今のままではいけない、だから今のままではいけないと思っている」とも発言していた。こうした“何かを言っているようで、何も言っていない”という進次郎議員の発言は「進次郎構文」とネット上で呼ばれ、揶揄されることも少なくなかった。

しかし、今回の都知事選をきっかけに石丸構文が批判を浴びたことで、比較し、相対的に進次郎構文を称賛する人も現れることに。X上ではこんな声が。

《進次郎構文のほうがマシなのワラ。何いってんだ?とは思うけど、不快にはならないからな》
《進次郎構文のほうが喧嘩腰じゃないだけまだマシっぽい》
《どっちも話が通じないのは同じだけど、進次郎のほうが数億倍マシですね》
《まぁ笑える分友達っていうなら進次郎のほうがマシ 石丸は不快なだけやわ》

構文対決では、進次郎議員に軍配が上がったようだ。