※写真はイメージです(以下同)
「緑内障」という病気をご存じでしょうか。 目の奥にある視神経に障害が起き、気づかぬうちに視野が欠けていってしまい、放っておくと失明してしまう病気です。

 緑内障に大きく関わりがあるのが、「眼圧」です。目の中では房水という液体が循環しており、適度な圧力を保っています。しかし何らかの原因で房水の排出口が詰まったり、塞がれたりして、眼圧が上がってしまうことがあります。そうすると、視神経が圧迫されてダメージを受け、視神経が損傷していってしまうのです。

 眼圧の値は日々の生活習慣と大きく関わりがあります。特に食事による栄養摂取が重要で、健康的な食習慣が眼圧の変動や緑内障の進行にも影響することがわかっています。

 いつまでも健康で、ものをしっかり見ることができる目を保ちたいですよね。ここでは、目の健康に関連する食習慣と、目に良い食べ物を紹介します。

(この記事は『専門名医が教える!緑内障に効くたった2つの習慣』に掲載された内容を再編集しています)

◆酸化が目を老化させる

 私たちの体は、日々ストレスを受けています。老化と関わりがあるのは「酸化」です。活性酸素によって細胞が傷つき、老化が進むのです。イメージとしては、放置された鉄が錆びていくのと同じです。体の中のサビ=酸化と捉えてください。

 酸化の要因としては、紫外線などの太陽光の刺激、たばこ、精神的なストレス、激しい運動……などが挙げられます。これらの酸化ストレスは抗酸化物質によって除去されています。

 目は、レンズとなる水晶体や、光が集約する黄斑部(視力の中心になる、網膜でもっとも大事な部位)が酸化ストレスに晒されます。水晶体が酸化すると白内障の原因となりますし、黄斑部の酸化は「加齢黄斑変性症」という病気を引き起こします。

◆糖化は日々の食生活が大きく影響

 もうひとつ、体の中で老化を引き起こすのは「糖化」です。砂糖や炭水化物などの糖質を食べすぎてしまうと、余った糖とタンパク質が結びついて「AGEs(エージス)」と呼ばれる老化物質を合成します。

 これは体に炎症を引き起こし、こちらも白内障や加齢黄斑変性症にも関わりがあります。

「AGEs(エージス)」は高温で調理したものにも多く含まれます。チキンのオーブン焼き、とんかつ、唐揚げ、ステーキなど、こんがりと揚がっているもの、焼かれているものはAGEsが生成されやすいのです。

 酸化や糖化といった老化現象は、網膜や血管を劣化させるため、緑内障による視野障害の進行が早くなるという報告もされています。

 酸化、糖化の原因となる食品を減らすことも大事ですが、これから紹介するスーパーフードを食生活に取り入れることで、体のストレスを緩和し、緑内障を含む眼科疾患の予防が期待できます。

◆目がどんどん良くなるスーパーフード7選

1:たまご

 たまごはビタミンCと食物繊維以外はバランスよく摂取できる完全栄養食とされています。良質なタンパク質に脂質、ビタミン、ミネラルも豊富です。

 それに加えて、目に大切な成分であるルテインとゼアキサンチンも含まれています。これらは脂溶性なので、卵黄の脂質と共に体内に吸収されやすいのも特徴です。

2:緑黄色野菜
 緑黄色野菜の中でも、濃い緑色の野菜は眼病予防のために推奨されています。ケールは「緑黄色野菜の王様」と呼ばれるほどに栄養価が高く、ルテインも豊富に含まれています。他にもほうれん草やブロッコリーなどもルテインが多いです。また、ビタミンAの元となるβカロテンや、ビタミンC、Eが多いことにも注目です。

 緑黄色野菜サラダにたまごを加えることで、ルテインの吸収率が3〜8倍にアップします。