即買いの軍用? ワイヤレススピーカー【道越一郎のカットエッジ】
![軍用の雰囲気満点のワイヤレススピーカーMUZEN Audioの「Wild Mini(第2世代)」](https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/d/b/dbd5d_1562_c09d974e_8f6defdf-m.jpg)
見た目で分かる通りスピーカーは1個しかなくモノラル。残念と言えば残念なポイントだ。ただ、経験的に小さなステレオスピーカーは、ある程度離れて聴くと、当然ながらステレオ感が感じられなくなる。長いこと旅にスピーカーを持ち歩いて出た結論は「別にモノラルでもいいんじゃね」という事。それよりも、きちんといい音が出ることが重要だ。Wild Miniの最大出力は5W。小さな部屋で聞くには十分な音量だ。ほぼ金属製のボディはがっしりしており、大きな音を出してもビリつくようなこともない。スピーカーユニットの性能もよく、低音もある程度出るので、豊かな音質が楽しめる。スマホやタブレットのスピーカーでは物足りない時に使う、外部スピーカーとしては最適だろう。やや歪みが多めな音なのが少し気になるものの、YouTubeなどの動画視聴はもとより、純粋に音楽を楽しむのにも十分な音質だ。
実際の大きさは、縦78mm、横61mm、厚さ36mm。その割に重さは251gあり、小ささゆえの、ずっしりとした重量感がある。IPX5相当の耐水性も備え、小雨程度であれば雨の中でも問題なく利用できる。第1世代では、充電コネクタがMicroUSBだったが、第2世代になってUSB Type-Cに変更。バッテリー容量も800mAhから1000mAhに増量され、50%音量時の連続再生時間が5.5時間から7.5時間に伸びた。
そのほか、キャンプなどアウトドアで何かと役立つLEDライトも備える。万一遭難した時には、ライトの点滅でモールス信号「SOS」を発信することも可能だ。電源ON時やBluetooth接続/切断時などは、モールス信号音が流れ、軍用の雰囲気を盛り上げる。しかし、電源オン時は「XO V」、Bluetooth接続時には「R」、切断時には「S」と、意味がよくわからないのが残念だ。例えば、電源オン時に「ON」とか、接続時には「C」(Connected)、切断時には「D」(Disconnected)など、意味のあるモールス信号音であれば、もっとかっこよかったのにと悔やまれる。
製品の箱も無駄に凝っていて雰囲気満点だ。しっかりしたプラスチック製で、このまま捨てるのはもったいない。ケーブル入れか何かに流用しよう。製品本体も、完成度が高く基本性能が優れていてデザインがユニーク。遊び心もあって、一生モノにしたくなる。充電製品はバッテリーの寿命が尽きるとそこで終わりになりかねないのが残念だが、何とか交換しつつ使い続けたい。(BCN・道越一郎)