都会的な和モダン空間。おひとりさまは半個室へ

「現代里山料理 ZEN HOUSE」は、東京メトロ東銀座駅のA1出口を出てすぐの「ミレニアム三井ガーデンホテル東京」地下1階にあります。「ミレニアム三井ガーデンホテル東京」は、外国人客も多く訪れるデザインホテル。宿泊客の食事場所としても利用されていますが、レストランだけの利用もOK。

店へ下る階段には朝の自然光が降り注ぐ

フロント横に地下に降りる階段があり、「現代里山料理 ZEN HOUSE」へはそこから入ることができます。

店内は「和モダン」という言葉がふさわしい、都会的なインテリアの内装。地下へ降りる階段には大きな窓があり、自然光が降り注ぎます。天井が鏡張りになっているため、開放的にも感じる空間です。とはいえ地下にあるため朝でも明るすぎず、上質なムードも感じられます。

「里山朝食膳」は、1日2組限定(平日のみ)の完全予約制。入店は7〜8時の間で、クローズは10時。店内は宿泊客の朝食会場ともなるため、「里山朝食膳」を予約した場合は店内奥の半個室に通してもらえます。朝食ブッフェの賑わいがありつつも、のれんで仕切られているため完全プライベートな空間。テーブルは4人がけですが、1人で予約した場合は4人がけのテーブルを1人でぜいたくに使うことができます。

ソロおすすめPoint

銀座駅からも歩ける距離なので、早起きして朝活がてら、朝の銀座散歩を楽しむのもいいかも。宿泊客が食事をする場所ですが確実に半個室に通されるので、一人でも人目を気にせずゆっくり静かに食事を楽しむことができます。


少しずつ、いろいろ。ひとつひとつじっくり味わう

「里山朝食膳」3500円。15マスもあり眼福!

こちらが、お目当ての「里山朝食膳」。里山料理とは、日本の里山でとれる素材を使った料理のこと。素材の味を生かしつつ最小限に調理することで、そのおいしさを最大限に引き出しています。使われているのは、すべて旬の素材。そのため月替わりでメニューが変わり、訪れるたびに新しい味を口にすることができます。それぞれひと口ずつですが、15種類の日本の里山の旬の味を食べられるのはうれしい! 
また、「里山朝食膳」には3種類のペアリングティーが付いてきます。この日のペアリングのお茶は、すっきりさわやかな岐阜の「揖斐茶」。こちらも月替わりです。

着席したら、既に料理のお品書きが置かれていました。まるで旅館での朝食みたい! 旅気分で胸が高鳴ります。取材時は、春の旬を存分に感じられる「卯月」のメニューでした。

前菜の到着とともに、どんな野菜が使われているかを説明してもらえます。調理される前の野菜の姿を見ることで、より自然の恵みをありがたく感じながら食べられるというわけです。佐賀県のホワイトアスパラガス、菜の花、タケノコ、チコリ……。早速お品書きを見ながら味を確認しつつ、ひとつひとつを丁寧に食べていきましょう!

目にも楽しく美しい15種類の里山料理。いただきます!

「卯月の肴物」。この日はサクラマスを昆布締めにしたもの

「蛍烏賊 葉山葵麵」。旬のホタルイカに富山県の葉ワサビを刻んで和えている

「卯月の焼き魚」。この日は真鯛。桜の花びらを塩漬けにして乾燥させた桜塩を添えて

もう一つの「卯月の焼き魚」。この日は金目鯛。八海山の酒粕で漬け込んでいる

「日南鶏塩麹焼き」。こちらは定番メニュー。調理は焼いたのみというシンプルさ

「筍若布」。タケノコとワカメを鰹出汁で煮たもの

「おかひじきお浸し」。やさしい味が朝の胃にしみる

「スナップエンドウ」。甘みのあるスナップエンドウを茹で上げている

「木耳三つ葉味噌」。キクラゲと三つ葉を味噌で和え物にしたもの

「ういきょう甘酢」。甘酸っぱい味わい

「クレソン甘夏」。香り高いさわやかなサラダ風

「フルーツトマト」。本日は甘みの強い熊本県産のものを使用。味付けは一切していない

「そら豆」。少しだけ焼き色をつけて香ばしく仕上げた

「卯月季節野菜」。本日は菜の花のお浸し

もう一つの「卯月季節野菜」は春キャベツ

どれから食べようか迷ってしまいますが、直感で自由にいただきましょう。なんとぜいたく……! ひと口ずつと一品の量は少ないですが、素材を引き立てる繊細な味付けで、旬の里山の恵みとうま味を存分に感じられます。

ソロおすすめPoint

友達と感想を述べあって食べるのも楽しいですが、ひとりだからこそひとつひとつの味をしっかりと味わいながら食べ進められます。日常の朝の時間は、ついバタバタしてしまうもの。だからこそたまには食材と向き合って味わう時間を過ごすのもよいですよね。一人でも少しずついろいろなものを食べられるのもうれしいです。


ご飯セットに季節の甘味。お茶は3種類楽しめる

前菜を楽しんでいると、ご飯セットが到着してまた気持ちが高鳴ります!  粒が立っていて見るからにおいしそうなお米は、山形県産「はえぬき」を使用。味噌汁は、仙台赤味噌と信州糀味噌の自家製合わせ味噌です。

ご飯のお供もずらり。ランチでもディナーでも味わえる定番人気メニューである、北海道産生しょうゆ・徳島県産和三盆・国産しょうがを使って仕上げた鶏そぼろをはじめ、自家製ちりめん山椒、なめたけ、だし巻き玉子、ぬか漬けも。

ほかほかご飯に、鶏そぼろをかけて……。おいしさと幸せを噛み締めながら、丁寧に味わっていきます。1品ずつ、ご飯に合わせて食べて。ひとりだからこそ真剣に、料理と向き合うことができます。

定番の日南鶏も「はえぬき」のほかほか炊きたてご飯に合う! ひと口サイズだから、たくさんのおかずがあってもちょうどよく楽しめます。

ご飯セットと同時に、出汁割り茶が提供されます。こちらは、佐賀の「嬉野茶」。最初だけついでもらい、その後は自由に注ぎながらいただきます。鰹や昆布でとっただしで日本茶を入れているため、ご飯と一緒に楽しむと口の中でお茶漬けが完成するとか!

お茶のだしとなっている鰹や昆布も一緒に配膳されます。使っている食材を目で見てもらいたいという、お店の思いです。

最後に甘味が出てくるのは、やっぱりうれしい!  お腹いっぱいになりましたが、甘いものは別腹。見た目もとても美しいです。

お茶は、二十四節気をイメージしたオリジナルの「節気茶」。こちらも月替わりで、今回は牡丹の花のお茶です。食事のタイミングに合わせてお茶が3種類いただけるのも、とてもぜいたくです。

取材時の甘味は、桜餅、抹茶のテリーヌ、ハチミツと栗のパウンドケーキ

この充実の内容で、なんと3500円!  こうしてすべてを並べてみると圧巻です。これを都会的な和モダンのホテルレストランの半個室でゆっくりといただけるなんて、ぜいたく以外のなにものでもありません。

ソロおすすめPoint

ご飯のお供に何を選ぼうかと、自分の好きな組み合わせを見つけるのも楽しい。各タイミングで出てくる3種類のお茶のだしやお花の香りを、ゆっくりと香るのもいいですね。ひとりだからこそフルに五感を使いながら、余すところなくコースを楽しむことができますよ。


たまに楽しむぜいたくな朝食は、背筋が伸びる思いがします。ひとつひとつ素材の味を大切にした里山料理で、胃も心も大満足。毎日頑張っているご褒美に、ぜひ素敵な一日のスタートを。

■現代里山料理 ZEN HOUSE(げんだいさとやまりょうり ぜん はうす)
住所:東京都中央区銀座5‐11-1 ミレニアム 三井ガーデンホテル 東京 B1
TEL:03-6260-6851
営業時間:6時30分〜22時(21時LO)、里山朝食膳は完全予約制(7〜8時の予約枠のみ)
定休日:無休(朝食プランは平日のみ)

ソロMemo

■取材時のソロ率:80%(月曜の夕方)
■おすすめの利用シーン:ひとり朝食を楽しみたいとき、日本の里山でとれる旬の素材の味を堪能したいとき、いつも頑張っているご褒美に


▶▶「おとなのソロ部」の記事一覧はこちらから!


Text:松崎愛香
Photo:斉藤純平

●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。変更される場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。