低出生体重児に就学猶予 真岡市教委が許可
早産で小さく生まれた真岡市の６歳の男の子がこの春、小学校の入学を先延ばしする「就学義務の猶予」、いわゆる「就学猶予」を真岡市教育委員会から許可されたことが１９日までに分かりました。低出生体重での猶予は真岡市では初めてのケースで県内でも珍しいと言います。
「就学猶予」が許可されたのは真岡市の小林恵さんの長男、奏明くん６歳です。奏明くんは２０１８年３月２８日に予定より４カ月早く生まれ、体重も４９３グラムと小さく、新生児の集中治療室に半年ほど入っていたといいます。
小林さんは奏明くんの出産をきっかけに同じ悩みを抱える家族の助けになればと早産などで小さく生まれた低出生体重の赤ちゃんの子育てをサポートする手帳の作成や理解を促す写真展を各地で開くなどの活動を行ってきました。
奏明くんが３歳のとき真岡市内の保育施設に入園しましたが、健康の不安があったほか保育施設では運動や言語の発達の遅れなどから同じ学年の子どもと同じように行動することが難しかったといいます。「子どもの成長に合わせて学ばせたい」と感じていた小林さんは２０２２年の冬、真岡市教育委員会に入学を延期できないか相談を行いました。
真岡市教育委員会は、その後８カ月にわたって奏明くんの発達状況や保育施設での生活を調査したほか通院する病院などの関係機関から情報を提供してもらい状況の把握に努めたということです。その後、小林さんは２０２３年８月に「就学義務の猶予許可」を求めて申請を行いました。
「就学猶予」は学校教育法に基づき、病弱や発育状況、重国籍などを理由に就学が困難な場合に認められますが、可否の判断は市町村の教育委員会に委ねられています。
真岡市教育委員会は２０２３年１１月に医師や専門家で構成する教育支援委員会の意見を基に「特別支援学校への就学が適当」と判断しましたが、小林さんは、教育委員会に改めて理解を求めて審査請求を提出。この結果、教育委員会は「子どもの状況や親の心情を考えた上で、適切な教育環境を整える必要がある」と許可に転じ、２０２３年１２月に１年の猶予が認められました。
