北アメリカ最大の淡水魚、ワニのような大きな口と鋭い歯を持つ「アリゲーターガー」。メスは最長で50年以上も生き続け、最大2メートル以上まで成長する巨大な怪魚。晩春から初夏に大雨が降ると、アリゲーターガーが浅瀬に集まって繁殖活動を行う。

最大20匹のアリゲーターガーが群れを作り、湿地で4〜5匹のオスが1匹のメスを追いかけ回す。メスは草の茂った浅瀬に卵を産み、オスが精子を放出し受精させる。植え付けられた卵は48時間後には孵化し、幼体は1か月後に12センチ、1年後には70センチまで急速に成長する。

アメリカ南部に分布するアリゲーターガーだが、特にテキサス州は大きなアリゲーターガーが数多く生息している。春に大雨が降った時ほど大規模な繁殖となり、例年4月と5月に氾濫した水辺で産卵が行われる。降雨が少ない年には全く産卵しないこともあり、10年に数回しか発生しない希少な現象と言われている。

(Written by 山岸悠也)