多機能型農業ロボット『雷鳥2号』を発表 アタッチメントの付け替えで耕起・収穫なども完全電動で可能 テムザック

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テムザックは、新型多機能型農業ロボット『雷鳥2号』(耕起アタッチメント搭載)を開発した。
新たに開発した雷鳥2号は、アタッチメントを付け替えることで、耕起・収穫などを完全電動で行うことができる多機能型農業ロボット。比較的小型で、前後のみならず横移動やその場旋廻など、非常に小回りが利くため、不整形地や小規模圃場など耕作放棄されてしまいがちな条件不利農地でも活用可能。今後は、完全自律走行モデルも開発を予定している。

●新型『雷鳥2号』 (耕起アタッチメント搭載)について
●ポイント
1:多機能 アタッチメント交換で耕起以外の用途も2:機動的 小回り(水平・旋回移動)が利き条件不利地にも対応3:小型  軽トラックに積載可能4:電動  石油を燃やさず環境にも優しい
各種アタッチメントを付け替えることで、耕起、収穫等を完全電動で行うことができる、多機能型農業ロボット。搭載したバッテリーによるモーター駆動で走行し、かつ4輪をそれぞれ動作させることにより、前後移動・横移動・その場旋廻といった動きが可能。今回は耕起アタッチメントを搭載し、耕起作業のロボット化を実現した。将来的には完全自律走行および群れ化による更なる省力化をめざすとしている。
●スペック
●雷鳥2号 本体
サイズ約 全長 1630mm、全幅1230mm、全高1170mm質量約300kgモーターDC48V 600Wバッテリー容量DC48V駆動方式インホイールモータ最小回転半径約1910mm
●耕起アタッチメント
サイズ約 全長 2000mm、全幅900mm、全高610mm質量約120kgモーターDC48V 400Wバッテリー容量DC48V 20Ah作業幅中央部:約38cm 後部:約98cm作業深さ最大:約14cm回転外径(cm)中央部:約20cm 後部:約28cm最大爪本数中央部:64本 後部:12本 ※増減可能

●2024年 WORKROID農業のプラン

●WORKROID農業 概要

・省力化・低コスト化:
自動直播、自動除草、自動耕作、自動収穫、遠隔水管理
・米粉化:
 米粉用品種を栽培、米粉生産および流通網との連携
・収量最大化よりも省力化優先:
いかに手間をかけず広範囲(耕作放棄地)で農作物を生産できるかに重点
・新規就農者の確保:
土地に張り付かない農業

米は日本の数少ない食料自給品目ですが、農業従事者の最も多い割合を占めているのは75歳以上(2020年時点)。高齢化・担い手不足、そして耕作放棄地の拡大に歯止めがかからない状況の中、省力化・省人化に向けた技術革新が必須となっている。テムザックは、長年培ってきたロボット技術を活かし農業課題を解決するため、2022年12月に締結した宮崎県延岡市および北浦農業公社との連携協定に基づき、2023年春、農業経験のない人でも取り組める省力化農業 “WORKROID農業” として、米粉用米の水稲直播栽培を開始した。
初年度は、雑草防除ロボット『雷鳥1号』の開発・投入、ドローンによる播種作業の実施、水管理システムの運用などを実践、『雷鳥3号』による害獣追い払いの検証、『雷鳥2号』による収穫テストなど、農業ロボット「雷鳥シリーズ」を続々開発&投入し、米作りに関するあらゆる工程の省力化に取り組みました。米作りにかけた労働時間は既存農業と比べ大幅に削減したにもかかわらず、稲穂が実り800kg弱(24aの圃場より)収穫することができた。
収穫した米は米粉化し、「雷粉」の名称で食品業者・飲食店へ提供。米粉ケーキ、米粉カレー、米粉ピザ等として製品化され、6次産業化の仕組みづくりにも取り組んでいる。
●今後の展望

「徹底した省力化の実現」をコンセプトとしてロボット技術を活用して省力化を追求する「WORKROID農業」プロジェクト2年目となる2024年は、雷鳥2号(耕起アタッチメント搭載)を皮切りに、「徹底した省力化の実現」をコンセプトとして、農業ワークロイドを順次開発・投入していく。
また、農業ワークロイドを順次開発・投入し、米粉用稲作から米粉の流通までを一気通貫で行うことができる省力化農業を確立し、全国に広めていき、収穫した米は米粉にして流通させることで、新たな需要創出と食料安全保障にも貢献し、持続可能な農業の実現を目指す。