Appleの「探す」の精度が低いせいで無実の人がSWATの突撃を受ける事件が発生したとの報道
Appleが提供している「探す」機能により、犯罪とは無関係な人がSWATによる強制捜査を受けたことが報じられました。
SWAT Team Raids Innocent Family Over Stolen AirPods Dropped on Their Street
https://www.riverfronttimes.com/news/swat-team-raids-innocent-family-over-stolen-airpods-dropped-on-their-street-42172867
きっかけとなったのは、SWAT突入の半日前に約26マイル(約41km)離れた場所で発生した強盗事件でした。
当日の朝、ある兄弟がセントルイス郡南部のレストランから出ようとしたところ、車で駐車場に乗り入れた6人組の強盗が兄弟の自動車をカージャックしました。強盗犯のうち2人は被害者の車を奪って逃走し、残りの4人はそのまま自分たちの車で現場を離れました。
現場に急行したセントルイス郡警察に対し、被害者らは自分たちのAirPodsが盗難車の中にあるので、「探す」機能を使えば追跡できると情報提供しました。
「探す」機能は、Bluetoothとクラウドを利用したネットワークによりApple製品やAirTagを取り付けた物品の位置を特定するというサービスです。
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捜査を開始した警察は、さっそく「探す」を使って盗まれた自動車の追跡を行いましたが、精度の問題により誤ってシャミリーさんの家を強盗犯らの根城だと勘違いしてしまったというのが、事件の全容でした。
弁護士のビービス・ショック氏は、「『探す』はそれほど正確ではありません。実際、同僚の弁護士と一緒に家に行って1時間ほどこの機能を試してみましたが、結果は芳しくありませんでした」とコメントしました。
シャミリーさんの家に突入したSWAT隊員は、30分間にわたって家の中を物色し、壁や天井に穴を開けたり引き出しをひっくり返したりしましたが、結局問題のAirPodsは家の外の通りに落ちているのが見つかったとのこと。
その後の調べにより、シャミリーさんの娘のひとりが盗難車と思われる車が近所を疾走しているのを目撃していたことが判明しました。このことから、車内にAirPodsがあるのを発見した強盗犯が、窓からそれを投げ捨てたものと見られています。
家宅捜索の翌日、ブリスコーさんが警察に電子メールでドアの修理について尋ねたところ、警察は郡が対応すると返答しましたが、数カ月してもドアが破壊されたまま放置されたので、家主が代わりに修理してくれたとのこと。
不当な武力行使などに対する損害賠償を求める訴訟で、シャミリーさんらの弁護士を務めるショック氏は、「私たちが住んでいるのはアフガニスタンやガザ地区ではありません」と述べて、警察官の安全を確保するための武力行使の必要性と、不当捜査に直面した人々の権利保護のバランスを取る必要があると訴えました。