WindowsでSDカードやUSBメモリを使っていると、データを初期化する「フォーマット」画面を何度も目にすることになります。このフォーマット画面の誕生秘話を元Microsoft社員のデビッド・プラマー氏が語っています。





プラマー氏はWindowsのタスクマネージャーやピンボール、アクティベーションシステムなどの開発に携わってきた人物です。プラマー氏によると、フォーマット画面の開発は1994年末の雨が降る木曜日に行われたとのこと。当時、MicrosoftではWindows 95のUIをWindows NT系OS向けに移植する作業が進んでいました。フォーマット画面はWindows 95とWindows NT系OSの相違点が強く影響するUIであったことから、プラマー氏はフォーマット画面を新たに作りなおす必要に迫られました。

プラマー氏は紙に「ファイルシステム」「クラスターサイズ(アロケーションユニットサイズ)」「ボリュームラベル」といった必要な設定項目を書き出し、Microsoft Visual C++のリソースエディターを用いて各種設定項目を単純に垂直配置しました。この時、プラマー氏は「エレガントなUIではないけど、エレガントなUIが登場するまでの仮UIとしては問題なし」と考えていたとのこと。しかし、その後数十年にわたって「仮UI」はWindowsに残り続けることとなりました。



フォーマット画面が仮UIであるという事実は、「『容量(P)』の右隣には『:』が記されているのに、他の項目には『:』が記されていない」という表記揺れにも現れています。この表記揺れについて指摘されたプラマー氏は「そうだね、できるかどうか分からないけど、誰かにバグを報告してもらうよ」と返答しています。



ちなみに、ドイツ語版Windowsでは、2022年に配信されたWindows 11 22H2で表記揺れ問題が解決しているとのことなので、他の言語でも将来的に解決される可能性がありそうです。





なお、プラマー氏によるとフォーマット画面の作成時にボリュームサイズの最大値を決定する必要が生じたことにより、Windowsのフォーマット画面ではFAT32で作成可能なボリュームサイズが32GBに制限されることになったとのこと。この32GBというボリュームサイズは開発時に突発的に思いついた「仮の値」だったそうですが、その後もFAT32の仕様として引き継がれることとなりました。「仮」のつもりで作ったUIや容量制限が長期間使われ続けた事実を受けて、プラマー氏は「覚えておいてください。『仮』というものは存在しません」と忠告しています。