本領発揮できない「キッチン裏のパントリー」。動線＆通路幅の計画にはご注意を
大きめのバントリーをつくると、食品のストックがしやすくなり、キッチンがすっきり片づきます。1年前に平屋の注文住宅を建てた日刊住まいライターは、玄関からの動線も考え、キッチン手前に2畳のパントリーをつくりました。収納量には満足。しかし、暮らし始めると、まったく想定していなかったことで残念に感じることに。それは通路の幅と、直角に曲がる動線。詳しく語ります。
家族5人暮らし。家づくりでは大容量のパントリーを希望
筆者は、夫と子どもが3人（16歳、9歳、6歳）の5人家族。1年前に大手ハウスメーカーで平屋を建てました。延床面積は37坪です。
家づくりをしているときは、この面積のなかに、必要な居室を確保しつつ、家族5人分のものがしっかり収納できる、シューズクロークやクローゼットをつくりたいと、パズルをするように間取りを検討しました。
じつは、これ以外にどうしても実現したいものがありました。それはパントリーです。片づけが苦手な筆者にとって、大容量のパントリーは、絶対に必要だと思ったのです。そして、実現したのが上の間取り図にあるパントリーです。
パントリーはキッチンの真裏にある間取りに！
当初は、キッチンの奥にパントリーが続いている間取りも検討しました。しかし、大きなスペースをとるのは難しいため、キッチンの裏に配置したのです。実現したパントリーは2畳。収納スペースとしては、大きめな方だと思います。
パントリーの入り口付近には、セカンド冷蔵庫を置いています。ちなみにセカンド冷蔵庫には、おもに子どもの飲み物やアイス、子ども用のデザート、夫のビールなどが入っています。
キッチンで調理をしているとき、メインの冷蔵庫（コンロの真後ろにある）に飲み物やアイスを取りに来られると、気が散って落ち着かないからです。また、調理の必要がない、レンジでチンしたら食べられる冷凍食品も、このセカンド冷蔵庫に。
セカンド冷蔵庫以外にも食品がたっぷり収納できるよう、L字型の棚を造作しました。写真のように余白スペースは、冷蔵庫の前の幅が60�僉�奥行きは226�僂△蠅泙后�
その奥の幅は、少し広くなり90�僂△蠅泙后�ですから食品をしまったり、取り出したりするのには、十分な広さ。
L字型の棚の幅と奥行きは以下のとおりです。
・冷蔵庫横：奥行き30×横180��
・正面奥：奥行き45× 横90��
奥行き30�僂世函�100均のA4サイズの収納ケースが、きれいに収まります。また、奥行き45�僂世函�2Lのペットボトルを横に倒して入れても余裕があります。
大きな鍋やホットプレートもパントリーに保管
当初は想定していませんでしたが、とくに奥行き45�僂涼�は、つくっておいてよかったと実感していることがあります。それは大きな鍋の保管場所に困らないこと。
リビングに設置しているわが家の薪ストーブには、オーブン機能があります。そのため、そのオーブンの中で煮込み料理をするために大きめの鍋を複数購入しました。とはいえキッチンの引き出しは、普段使いの鍋やフライパン、お皿でいっぱいです。大きめの鍋を置く場所はありません。
収納たっぷりのパントリーをつくったことで、場所をとる大きな鍋やホットプレート、かき氷器などが、すべてここに収まっています。
いろいろ収納すると、煩雑な印象にはなります。でも、ロールカーテンで目隠しできるので、来客時には隠すことができます。
と、ここまでは大満足のパントリー。しかし、意外な部分に落とし穴があったのです。
買い物袋を持って通るには、途中の廊下が狭すぎた！
買い物のことを考えて、すぐにしまえるよう玄関から近い場所に、パントリーを配置しました。そのこと自体は、今でもいいアイデアだと思っています。
しかし、実際に暮らし始めてみると、玄関からパントリーまでの部分で問題が発生。廊下が広くないことと、直線ではなくカクカクしていることから、使い勝手は微妙なのです。
廊下の幅は約76�僉Ｎ昭蠅鵬拱�を持っていると、壁にすってしまうことがあります。よく見ると壁にキズが！
補修ペンで、キズを隠ししたので実際はよく見ないと、気がつかないレベルです。しかし残念な気持ちに。
セカンド冷蔵庫があるパントリーの入り口も狭い！
廊下を通ってまた一難。買い物から帰ってきたらパントリーに直行…のはずが、直角に曲がって入る入口が、狭くて通りにくい！ 結局、曲がらずにそのままキッチンに行き、買ったものを置いています。
玄関からパントリーまでの動線は、短くしたつもりなのに…。買ったものをキッチンに仮置きしてから、パントリーにしまうという、間延びした動線になってしまったのです。
動線を短く計画するだけでは不十分。持ってそのままパントリーにしまうためには、廊下の幅が重要だったのだと、住んでみて痛感しました。
ということで、動線や通路の幅の問題は、もっと検討すればよかったと後悔しています。しかし、大きめのパントリーをつくったことで、ご覧のとおり、食材をしっかりストックできています。
育ちざかりの3人の子どもを育てる筆者にとって、セカンド冷蔵庫も置ける2畳のパントリーをつくったこと自体は、よかったと思っています。地震や異常気象による災害が気になる昨今、大量の食材をストックしておけることは、大きな安心にもつながります。
