冬の間じゅう着た服には、食べこぼしや皮脂、汗などの汚れがいっぱい。クリーニング代を惜しんでそのまま収納してしまうと、黄ばみや虫食いなどのトラブルが発生することも。「少なくとも、ワンシーズンに1度は洗ってケアを。家で洗えば、節約にもなりますよ」と話すのは、洗濯のプロで、ウォッシュサロン店長の西川真登さん。家でケアするときの4つのポイントと、ニットを長もちさせる洗い方のコツを教えてくれました。

1:いつものケアに「+1」をする

「洗う前にブラシで毛玉を取る」、「汚れがひどい部分は予洗いする」など、いつものケアに工程を“+1(プラスワン)”して。
「ほんの少しの工夫で、洗濯後の仕上がりがぐっとよくなりますよ!」(西川真登さん、以下同)

2:洗濯表示は服からのメッセージ

衣類の裏側についたタグは、洗う前に必ずチェック。以下の表示があるものはおうち洗いが可能です。
「服からのメッセージを受け取り、正しいケアをすれば、失敗しません」

●洗濯機で洗える

数字は水温の上限値。オケの下に下線がなければ「標準洗い」、1本なら「弱い水流」、2本なら「非常に弱い水流」で洗うこと。

●手洗いできる

洗いオケに手を入れているマークは、「手洗いなら可能」という意味。数字が記してある場合は、その数字以下の水温で洗うこと。

3:アイロンまでがクリーニング

乾燥後にスチームアイロンをかければ(使用可能かどうか洗濯表示の確認を)、風合いがよくなり、気持ちよく袖を通せる仕上がりに。「スチームの熱で生地が元に戻る力が働き、ヨレやのびが解消されます」。

4:大事な服こそケアして長もち

「服を洗うと生地が傷む」は、じつは思い込み。正しい洗い方をすれば、風合いや着心地がよくなり、長もちします。「ちなみに私は、2〜3回着たニットは洗うようにしています」。

正しいケアで長もち!ニットケアのQ&A

ここでは冬物洗いの代表、「ニット」の洗い方で気になりやすい「こんなときどうする?」を解決! ニットの普段のケア方法をQ&A方式で西川さんが教えてくれました。

●Q:脱いだニットは、ハンガーにかけてクローゼットに入れてもいい?

A:風通しのよいところに1時間ほど置いてから、たたんで収納して

ハンガーにかけると生地がのびたり、跡がついたりする場合があるので、たたんで収納するのがベター。「湿気を取るために、しまう前には1時間ほど置いておきましょう」。

また、ウールなどの天然素材のニットは、連日着るとくたびれて毛玉ができやすくなります。「1回着たら最低でも1日は休ませましょう」。

●Q:静電気や毛玉の処理に悩んでいます…

A:ミストやスプレーで日々のケアを欠かさずに!

脱いだニットを軽くブラッシングしたあと、専用のミストやスプレーを吹きかけるだけで静電気や毛玉の予防に。「香りづけだけのタイプもあるので、しっかり用途の確認を」。

●Q:特殊なボタンは、つけたまま洗っても大丈夫?

A:アルミ箔をかぶせて洗えば、問題なし!

くるみボタンやスパンコールつきのボタンは、小さく切ったアルミ箔をかぶせてくるめば、そのまま洗濯も乾燥もしてOK。「ただし、気になる場合は取り外しておくと安心です」。