【40~50代必見】膝が痛いときの対処法を医師が解説! 治療法を知ってロコモ予防に努めよう
監修医師:
朱田 尚徳(所沢あかだ整形外科)
富山医科薬科大学医学部医学科卒業。国内外の整形外科病院勤務ほか、Jリーグのチームドクターなどを歴任。2020年、埼玉県所沢市に「所沢あかだ整形外科」開院。理学療法士や鍼灸師とともに、チーム医療に務めている。日本整形外科学会認定整形外科専門医、日本体育協会公認スポーツドクター、義肢装具等適合判定医。
編集部
膝に痛みが出たら、どうしたらいいですか?
朱田先生
痛みが出るということは、膝関節が不安定な状態になっているということです。その原因が、膝の構造的な問題なのか、あるいは運動能力的な問題なのかわかりませんから、レントゲン検査などの丁寧な評価が必要です。少しでも痛みや違和感を覚えたら、まずはできるだけ早く整形外科を受診しましょう。
編集部
早めに受診する必要があるのですね。
朱田先生
そうですね。もし変形性膝関節症が原因だった場合、一度すり減った軟骨は放置しても元に戻らないどころか、どんどん悪化していきます。そのため、整形外科で早めに治療を開始することが重要です。
編集部
整形外科で変形性膝関節症と診断されたら、どのような治療をするのですか?
朱田先生
多くの場合、適切な「運動療法(リハビリ)」で症状が改善しますし、変形の進行を抑えることができます。また、痛みが強く出ている場合や膝に水が溜まっている場合には、消炎鎮痛剤などの薬を使用することもあります。そのほか、炎症がひどい場合にはヒアルロン酸注射で抑えることもあります。
編集部
重症の場合はどうするのですか?
朱田先生
60代までの患者さんであれば、将来的な症状の悪化を避けるために、足の矯正手術をおこなうこともあります。ただし、手術後2~3カ月は運動が制限されるといったダウンタイムがあり、現役世代では手術を受けることが難しいことがあります。そうした手術が難しい場合には、リハビリでなんとか対応しながら、将来的に人工関節の手術を検討することもあります。
編集部
症状によって様々な治療法があるのですね。
朱田先生
そうですね。大切なのは、できるだけ早めに処置をするということです。なぜなら、変形性膝関節症はロコモティブシンドロームの大きな要因になるからです。ロコモティブシンドロームは、骨や関節、神経などが衰えて立ったり歩いたりすることが困難になり、要介護や寝たきりの状態になってしまうこと、またはそのリスクが高いことを指します。変形性膝関節症を放置すると、こうしたロコモティブシンドロームになることが多いため、早めに専門医の診察を受け、治療を開始することが大切です。