AIの進歩に伴って「AIによって人間の仕事の大部分が奪われる」という不安が現実的なものになりつつあります。人類はAIの登場以前から「蒸気機関の発明」「電気の発明」「コンピューターの発明」といった多くの技術革新に直面したわけですが、そのたびに数多くの職業が不要となり消えていきました。そんな「社会情勢の変化によって消えた職業」をまとめたページが英語版Wikipediaに存在しています。

Category:Obsolete occupations - Wikipedia

https://en.wikipedia.org/wiki/Category:Obsolete_occupations

英語版Wikipediaの「社会情勢の変化によって消えた職業」をまとめたページには記事作成時点で183件の職業が登録されているので、いくつか興味深いものをピックアップしてみました。

◆電話交換手

電話の発明からしばらくの間は、電話をかける際に「まず電話交換手が常駐する電話交換局に接続し、電話交換手に回線を結んでもらうという」手順が必要でした。しかし、電話交換の機械化が進んだことで電話交換手は不要な職業となりました。



◆計算手

コンピューターが普及する以前は、企業や研究機関が複雑な計算を計算手に依頼して手動で計算させていました。しかし、コンピューターの普及によって計算手は不必要となりました。なお、日本初の国産コンピューターは富士フイルムの岡崎文次がレンズ設計用に開発した「FUJIC」ですが、岡崎文次のコンピューター開発に計算手の女性が協力していたというエピソードもあります。



◆ノッカー・アップ

「ノッカー・アップ」は目覚ましサービスを提供する職業で、指定通りの時間に依頼者の窓やドアをたたいて起床させる仕事を担っていました。ノッカー・アップという職業はイングランドやアイルランドで1920年代頃まで残っていましたが、目覚まし時計が普及したことで姿を消しました。



◆点灯夫

電灯が普及する以前はガス灯や石油ランプなどが街灯として使われていました。これらの街灯は点灯夫によって点灯と消灯が手動で行われていました。電灯が普及した現代では、観光用に保存されているガス灯の管理のために極少数の点灯夫が残るのみとなっています。



速記者

国会中継などで議員の発言を手書きで爆速記録する速記者を見たことがるある人は多いはず。速記者は記事作成時点では存続している職業ですが、音声認識を用いた記録方法に切り替える動きが進んでいることもあり、英語版Wikipediaの「社会情勢の変化によって消えた職業」一覧ページに登録されています。日本でも参議院が2023年11月28日に議場内での速記の廃止を決定しています。一方で、衆議院では速報性を重視する観点から速記廃止の予定はないとしています。

なお、衆議院記録部が公開している以下の動画では速記者による実際の速記の様子を確認できます。

【衆議院記録部】国会の速記 - YouTube

◆今後なくなる可能性の高い職業

野村総合研究所は2015年の時点で「人工知能やロボット等による代替可能性が高い100種の職業」を発表しており、「一般事務員」「受付係」「銀行窓口係」「警備員」「レジ係」などのなじみ深い職業をAIに代替される可能性が高い職業として挙げています。100種の職業一覧は以下のリンク先で確認できます。

人工知能やロボットなどで代替可能な職業100&代替されない可能性が高い職業100まとめリスト - GIGAZINE



by NASA Robonaut

GIGAZINEの公式Discordのフォーラムで激論中

GIGAZINEの公式Discordサーバー上の以下のフォーラムでは、「SNSへの投稿がAIの学習に使われるのは許せる?許せない?」という話題から始まり「AIとの関わり方」にまで議論が白熱。途中からGIGAZINE編集長も参戦して大いに盛り上がっているので、気になる人はのぞいてみてください。また、フォーラムには誰でも書き込み可能なので、気軽にコメントしてみてください!

• Discord | "SNSへの投稿がAIの学習に使われるのは許せる?許せない?" | GIGAZINE(ギガジン)

https://discord.com/channels/1037961069903216680/1212332093690880030