伊東四朗「今後ないだろうから寂しいね」『おかしな刑事』ファイナルがクランクアップ
たたき上げの刑事・鴨志田新一(伊東四朗)とエリート警視の娘・岡崎真実(羽田美智子)の“凸凹父娘コンビ”が活躍する人気シリーズ『おかしな刑事』。
2003年の第1作から約20年にわたって愛されてきたシリーズがついに完結を迎えることとなり、1月6日(土)、ファイナル作品『おかしな刑事最終回!大千秋楽スペシャル』が放送される。
同ドラマのオンエア直前、クランクアップコメントが到着。
涙と笑いに包まれた、『おかしな刑事』らしいセレモニーの様子が明らかになった。
◆鴨志田刑事が“定年”
2003年8月に『土曜ワイド劇場』で第1弾を放送して以来、同枠や『日曜ワイド』『ミステリースペシャル』枠などで放送を重ねてきた『おかしな刑事』シリーズ。京都を舞台に全編撮影した『京都スペシャル』2作も含めると、最終作は通算27作目となる。
大千秋楽スペシャルでは、鴨志田がついに定年へ。
最後の出勤も終え、あとは有給休暇の消化を残すのみという状況で、大手建設会社社長が誘拐される衝撃事件が発生。物語のカギを握る建設会社社長・栗山喜一郎役でゲスト出演するのは、伊東の“盟友”三宅裕司だ。
◆三宅裕司、伊東四朗のスゴさをあらためて実感
約20年続いてきた『おかしな刑事』シリーズ最後の撮影は、東王子署刑事課メンバーが勢ぞろいした署内のシーン。
ラストカットも順調に進み、「これにて『おかしな刑事』シリーズ、オールアップです!」というプロデューサーの声がスタジオに響くと、キャスト&スタッフから割れんばかりの拍手がわき起こった。
クランクアップセレモニーではキャスト全員に梶間俊一監督から花束が贈られ、一同は万感の表情。
ゲストの三宅裕司は、「今回初めて参加させていただきましたが、現場の雰囲気は最高でした。伊東さんが撮影を1日間違えてセリフを覚えてきたときはどうしようかと思ったのですが、その場でぜんぶ覚えて完璧にこなされまして、結果的に巻いた(=予定より早く進んだ)んですよね。私もこれからはもうセリフを覚えなくていいやと思いました(笑)」と笑いを交えて伊東をたたえていた。
◆羽田美智子が感謝の涙
セレモニーがはじまる前から瞳をうるませていた羽田は、「言葉にすると胸が詰まっちゃって…」とこみ上げる涙を抑えながら、
「このシリーズがはじまったころの30代前半の私は吹けば飛ぶような存在でしたが、世界一尊敬する“お父さん”の背中を見ながら、20年間この世界で頑張ることができました。シリーズを20年間続ける…ということは、この世界でなかなか超えられないハードルだと思います。そこにみなさんと一緒に到達することができて、私は世界一幸せな女優だと思っています。またいつか、『ひょっこりおかしな刑事』とか、『おかしな刑事おかわり』とか、カムバック作品が実現して、このメンバーでご一緒できることを夢見ています」
と、伊東をはじめとするキャスト&スタッフへの思いをこめて挨拶。
羽田のスピーチをうなずきつつ聞いていた伊東は、羽田考案のネ―ミングのところで吹き出してしまい、スタジオもどっと沸いていた。
◆伊東四朗、ファイナル作品を自画自賛
そして最後、ひときわ大きな拍手のなか花束を受け取った伊東は、「お疲れさまでした。ひと言お願いします!」とスタッフからコメントを求められ、ニヤリと笑いながら「ハイ…疲れました(笑)」と、まさに“ひと言”。
キャストたちが爆笑しながら「それだけですか?」とチームワークよくツッコむと、「最後のゲスト・三宅(裕司)くんとは、これまでコントばかりで一度も真面目な芝居をやったことがなかったものですから、今回、丁々発止の芝居ができたなと自画自賛でうれしく思っております」とファイナル作品の手ごたえを語った。
さらに、「このシリーズは『おかしな刑事』というタイトルですが、そんなにおかしくもないんです。わりと真面目なドラマだと思ってやってきました。まぁ、“ちょっとおかしいかな?”っていうぐらいですかね(笑)。でも、こんなにも、そこはかとない“おかしさ”が感じられるドラマをやることは今後ないだろうから、寂しいですね」と作品への愛情をにじませる挨拶でセレモニーをしめくくった。