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『住民基本台帳人口移動報告』(令和4年)より、47都道府県の人口流出について見ていきます。

都道府県「転入・転出調査」

コロナ禍でリモートワークの導入が進み、「都心にいる必要性」がなくなり住まいを移す方が増えました。それから数年、コロナも落ち着きを見せる現在、人々の住まいはどのような状況でしょうか。

来る人いれば、去る人あり。『住民基本台帳人口移動報告』(令和4年)より、年単位の47都道府県の転入・転出状況について見ていきましょう。

まずは転入者数。都道府県別にみると、転入者が最も多かったのは東京都「43万9,787人」(前年比+4.7%)。神奈川県「23万7,839人」(同+0.7%)、埼玉県「19万1,931人」(同-+1.2%)、大阪府「17万3,710人」(同+3.4%)、千葉県「16万3,761人」(同+2.3%)、愛知県「12万3,833人」(同+2.8%)、福岡県「10万6,149人」(同+3.8%)と続きます。7都府県への転入者数の合計は143万7,010人。転入者総数の56.3%です。

※本記事の転入者数は、 都道府県の区域内に、他の都道府県から住所を移した者の数を指しています。

一方の転出者数。都道府県別にみると、こちらも最多は東京都「40万1,764人」(対前年比-3.1%)。神奈川県「21万275人」(同+2.9%)、大阪府「16万7,171人」(同+2.9%)、埼玉県「16万6,567人」(同+2.9%)、千葉県「15万5,193人」(同+8.1%)、愛知県「13万1,743人」(同-+7.0%)と続きます。これら6都府県からの転出者数の合計は143万4,187人。転出者総数の56.2%を占めています。

「転入者数−転出者数」をした際、転入者数が上回ったときのことを「転入超過」と言います。人気が高まっている都道府県ともいえるわけですが、転入超過となったのは11都府県。東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、宮城県、山梨県、長野県、滋賀県、大阪府、福岡県です。

「東京一強」は変化せず?

そのほか36道府県は「転出超過」。つまり出ていった人々の数のほうが多くなっています。転出超過数の内訳を見ると、最多となったのは広島県「9,207人」。愛知県「7,910人」、福島県「6,733人」、新潟県「5,830人」と続きます。前年に比べ転出超過数が最も拡大しているのは愛知県です。

ちなみに21大都市(東京都特別区部及び20政令指定都市)別の転入者数を見てみると、前年に比べ転入者数が増加しているのは、東京都特別区部「1万9,469人」、大阪市「3,485人」となっています。

一方の転出者数。前年に比べ転出者数が最も増加しているのは、名古屋市「3,642人」、次いで福岡市「2,385人となっています。令和2年には東京都特別区部の転出者は「2万1,088人」となっていましたから、コロナ禍を経て、結局人が東京に戻ってきたことをうかがえます。

「東京一強」が変化するかとも思われたコロナ禍。しかし現在のところは、やはり一強であり続けているようです。