代理人はMLB復帰に動く バウアーが複数球団と交渉か 米球界には「チャンスは比較的小さい」と“懸念”も

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DeNAで大車輪の活躍を見せたバウアー。その去就は日米両球界を賑わせている。(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 日本球界で異彩を放った大物助っ人は、母国復帰を目指して水面下で動き出しているようだ。

 現地時間11月6日にアリゾナ州スコッツデールで、メジャーリーグ30球団の幹部や代理人たちが集うGM会議が開始。今オフのストーブリーグがいよいよ本格化している。そうしたなかで23年シーズンに日本球界で活躍した助っ人の去就も話題となった。トレバー・バウアーだ。

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 20年にサイヤング賞を手にした実力は一切衰えていなかった。今年3月にDeNAと電撃契約を締結したバウアーは一軍で19試合に先発。故障離脱を余儀なくされる時期もあったが、10勝を挙げ、防御率2.76、WHIP1.15、QS率78.95%と上々のスタッツを記録。堂々たるパフォーマンスを披露した。

 23年シーズン終了後にDeNAとの単年契約は満了。今後については白紙の状態となっていたが、バウアー陣営はメジャー復帰に向けた動きを見せている。ニューヨークの大衆紙『New York Post』のジョン・ヘイマン記者は、自身のX(旧ツイッター)で、同選手の代理人を務めるジョン・フェターロフ氏とレイチェル・ルーバ氏がメジャー球団との会談を行ったと伝えた。

 もっとも、バウアーの抱えていた過去の問題に懸念を示す関係者は少なくない。2021年に知人女性に対するDV禁止規定違反でメジャーリーグ機構から324試合の長期の出場停止処分(その後、処分は194試合に短縮)を受けた。今年10月に当該女性との和解が成立したものの、いまだ当人の振る舞いを問題視する声はある。米紙『Los Angeles Times』の取材に応じた元球団社長も「バウアーがメジャー球団と契約することになれば驚きだ。契約のチャンスは比較的小さいだろう」としていた。

 弱くはない逆風は吹いている。それでもメジャー復帰を模索しているというバウアー側の動きは、NPBにどのような影響をもたらすか。いずれにしても、32歳の怪腕の去就は今オフの小さくない注目を集めそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]