オリックス投手陣に打ち勝った阪神打線の”狙い”に球界OBが持論 シーズン中から感じていた特徴とは!?

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四球の査定ポイントを上げて選手の意識を改革した岡田監督の采配が光った(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 11月5日、京セラドーム大阪で日本シリーズ第7戦が行われ、阪神がオリックスに7-1で勝利し、1985年以来38年ぶりとなる、球団史上2度目の日本一に輝いた。

 阪神はこの日、今シリーズ2戦目で打線が抑え込まれたオリックス先発・宮城大弥の攻略に成功した。4回にノイジーに先制3ランが飛び出すと、前日に続いての本塁打で打線が勢いづき、5回にも2本のヒットでランナーを溜め、難敵左腕をマウンドから降ろした。その後も、2番手の比嘉幹貴から森下翔太、大山悠輔、ノイジーが3者連続で適時打を放ち、3点を追加した。

 投手陣も、先発の青柳晃洋をはじめ登板した5人がいずれも好投を繰り広げた。オリックス打線を最終回で頓宮裕真が記録したソロ本塁打の1点のみに抑えている。7戦目までもつれたシリーズの最後は、阪神が投打で圧倒する形での決着となった。

 今回の日本シリーズで阪神は、この最終戦を含め、4試合で2桁安打をマークした。オリックスの山本由伸や宮城といった好投手を打ち込む場面もみられた阪神の戦い方については、球界OBの目にも印象深く映ったようだ。

 ルートインBCリーグ、オイシックス新潟アルビレックスBCの橋上秀樹監督が自身のYouTubeチャンネル『橋上秀樹アナライズTV』を11月5日に更新。最終戦やシリーズ全体の展開を振り返った。

 同監督は両チームの健闘を称えた上で、最終戦の試合内容を踏まえながら、「阪神打線に関しては、シーズン中から感じていたことがあった」と打撃陣の特徴にフォーカスしている。

 あくまでも推測であるとしながら、「阪神のバッターは追い込まれたらストライクゾーンを絞っていたのでは」と述べており、「通常、2ストライクに追い込まれたバッターは、それまでよりストライクゾーンを広げて、打ちに行く、ファウルで逃げるなど、幅広いコースに対してバットを出すことがセオリー」であると説明。続けて、「追い込まれた後、セオリー通りにストライクゾーンを広げても、ストライクからボールになる球を振らされるだけなので、甘い球だけを待つ。逆に、ギリギリのコースには一切、手を出さない」と分析し、今季の阪神の大きな特徴となった四球の数にも「際どいコースを見逃すことで、四球や三振も多くなる」と指摘している。

 さらに、「2ストライク以降は真っすぐよりも変化球狙いに切り替えていたようにもみえた」とも話しており、今回の日本シリーズや、シーズン中にも同様の打撃内容が目立っていたと述べている。また、「もし、実際にそういう狙いがあったとするならば」と前置きしながら、「いいピッチャーと対戦する時は、そのくらいの割り切りが必要。正攻法で行っても攻略は難しい」と論じていた。

 7戦を通じて、さまざまな駆け引きが繰り広げられた阪神とオリックスによる頂上決戦。最後まで、シーズン中からの戦い方を徹底した阪神が、劇的なシリーズ制覇を成し遂げた。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]