©1994 GAUMONT/LES FILMS DU DAUPHIN

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俳優ゲイリー・オールドマンは、1994年公開の代表作『レオン』で名ゼリフを生み出した。物語の後半、麻薬捜査局の刑事ノーマン・スタンフィールドは、殺し屋の男レオンの拘束に手こずるSWAT隊員の1人に対し、「全員を呼べ(Bring me everyone)」と穏やかに命令するも、思わず聞き返す隊員に間髪入れず「総動員しろ(everyone)」と怒鳴り散らすのだ。

このセリフ、実は元々脚本には書かれておらず、スタンフィールドを演じたオールドマンによるアドリブだった。一瞬にして観る者を怖気づかせたあの言葉は、一体どのようにして生まれたのか。2014年、米PLAYBOY誌とのインタビューで、オールドマンはその誕生秘話を明かしていた。

「あのセリフはジョークだったんです。今では(映画を)象徴するものになりましたけどね。監督のリュック・ベッソンを笑わせるためにワンテイクだけやったんです。その前のテイクでは、普通の声で“全員を呼べ”と言っただけでした。音響の男性にヘッドホンを外すよう合図してすぐ、出せる最大の声で叫んだんですよ。それを彼らが映画に残したんです。」

当時のオールドマンによると、街でファンからかけられる言葉のほとんどは、『レオン』でのセリフだったとか。その反響ぶりが示すように、映画公開後にはオールドマンの演技に対して絶賛の声が送られ、米Time誌が「神がかったサイコぶりだ」と言い表せば、米Entertainment Weekly誌に至っては、その年に発表した独自のアワードの「ベスト・オーバーリアクション部門」に選出している。

2023年10月27日(金)からは、22分の未公開シーンが追加された『レオン 完全版』が2週間限定で再上映される。劇場に足を運ばれるという方は、オールドマンの怪演をご堪能いただきたい。

Source: PLAYBOY,Time,Entertainment Weekly