ブログで家族のための料理を紹介し一躍人気ブロガーとなったおにゃさん。体重80kgオーバーまで太ってしまったご主人のために、糖質オフのごはんづくりに取り組んだことがきっかけでダイエットについての勉強を本格的にスタート。

ダイエットカウンセラーとしての活動を開始し、今年春には独自のダイエットメソッドとレシピをまとめた『炭水化物とタンパク質で50代が続々10kg以上やせ! たんタンダイエット』(扶桑社刊)が、「年齢を重ねていても無理なくやせられる!」と話題に。インタビュー後編では、ダイエットを成功させるポイントをお聞きしました。

【写真】8か月で14kgやせした52歳・女性のビフォー&アフター

おにゃさんに聞いたダイエット成功のコツ。「ダイエット=無理せず一生続けるもの」

「たんタンダイエット」とは、炭水化物とタンパク質を適度にとる、年代を問わないダイエット方法で、とくに50代以上の人から多くの支持を集めています。 ポイントは3つ。

1 肉や魚、卵、大豆製品などのタンパク質を1回100g、1日2種類以上とる
2 玄米、雑穀米、ライ麦パンなど「茶色い炭水化物」をとる
3 朝食は抜かない

――代表的なダイエットの悩みとして「やせてもすぐに体重が戻ってしまう」というのが挙げられますが、成功させるためにはどのようなことに気をつければよいのでしょうか?

●1:数字にとらわれない

おにゃ:まず、「3か月で8kgキロやせる!」といった目標期間や体重、食品のカロリー数値などの数字にとらわれすぎるのをやめましょう。目標体重を設定してしまうと、そのために無理をして、その後は気が抜けて食べちゃうんですよね。それと、カロリーを意識しすぎる方が多いのですが、カロリーが低くても摂るべき栄養素が摂れず内容が伴っていなければ、それは無駄な食事です。

また、「1日にこれくらいの量を食べましょう」という目安をお伝えすると、食事を減らすだけでなく、「食べなきゃ」という意識に縛られてしまう方もいます。長年朝はコーヒーしか飲んでいなかったのに、「何g食べなきゃ」「何カロリーとらなきゃ」という義務感で、食べたくもないのに食べてしまうんです。でも、生活パターンや体質、自身にとっての適量を超えた食事も、少なすぎる食事も長くは続きません。

――なるほど。では、「たんタンダイエット」のポイント、たとえば朝食をしっかり食べましょうといったことも必ずしも守らなくてもいい?

おにゃ:はい。あくまで目安ですし、朝食べられない人はお昼にしっかり食べるとか、自分なりに調整していくことも大切です。本の中では、ちょっとでも食べられるなら、炭水化物よりタンパク質を優先しようね、といった食べ方や、タンパク質を補給できるチーズやヨーグルトなどをおやつにしよう、といった情報を紹介しています。

●2:行動パターンを変える

――2つ目のポイントを教えてください。

おにゃ:太りやすい人は無意識に太りやすい行動パターンをしているので、それを変えていくのもいいと思います。

カウンセリングをしていると、3個入りの菓子パンを1個だけ食べようと思ったのに、気づいたら3個一気に食べていたといったケースが多いんです。お菓子を我慢しなくてもいいといっても、毎日好きなだけ食べていればやっぱり太る。やせはしないんです。

でも、食べ始めたお菓子を1個でやめるのには鉄の意志が必要。3個食べてしまいそうなら、3個入りではなくて1個だけ買ってきて、食べたくても食べられない状況をつくりましょう。あと、お菓子をたくさん食べてしまう方は、その分カロリーを抑えようとして、食事でご飯を抜いてしまったりします。

――出ましたね、カロリーの呪縛!

おにゃ:そうなんですよ。でも、同じ炭水化物でもお菓子とお米では摂れる栄養が変わってきます。なるべく質のいい、栄養素の多いものを食べた方がいいから、お菓子とご飯は置き換えられません。おトクだから袋入りのお菓子を買うといった、なにも考えずに食べてしまう環境や行動パターンは見直して、味わって楽しんで食べるといいと思います。

●3:他人のせいにしない

――それでは3つ目のポイントを教えてください。

おにゃ:3つ目のポイントは、「他人のせいにしない」ということ。40代以降の大人世代のダイエットを難しくする要因は人間関係。ダイエットプログラムの受講生の方からは、「家族がいるから、自分だけ違うものをつくって食べることができない」という声をよく聞きます。

うちがそうでしたけど、家族と一緒に食べられるおかずをつくってその中から選べばいいんです。でも、この世代の方はすごく家族思いというか、相手を気にしてしまって自分の気持ちを言わないし、家族に行動を合わせてしまうんですよ。

――確かに、「私は違うものを食べる」とは、言えそうで言えないかもしれませんね。

おにゃ:せっかくダイエットを意識した生活をしていても崩れてしまうきっかけがいくつかあって、外食や残業による生活パターンの乱れなどもその要因になります。家族との外食がトリガーになることも多く、「ラーメン好きの家族との外食は毎回ラーメン。ひとりで食べないわけにもいかないから自分もラーメンを頼む。残すとお店の方に悪いから、全部食べてしまう」という具合です。

「たまにはラーメン以外のものを食べようよ」とか、「私は半分にしておくね」などと言えばいいと思うのですが、皆さんこうした言葉を飲み込んで食べてしまうんですよね。

「家族が」のほかに「会社の飲み会で上司が」「友達とのつき合いが」など、相手が変わっていくのですが、「他人のせいで」という人は多いです。でも、本当に他人のせいなのか? 本当は自分が食べたいのを他人のせいにしていないか? そんなことも考えてみるといいですよ。

●ダイエットは長期戦。一生取り組むもの

――お話を伺っていると、ダイエットは本当に食べ方というよりは生き方ですね。

おにゃ:そうですね。どんなダイエット方法でも長期的に取り組むもので、短期決戦というのはないですね。そして、変に我慢をするものでもないんですよ。我慢するとメンタルがやられてしまいますから。

甘いものが好きという気持ちも、飲み会やパーティといったイベントも、家族や友人などの人間関係も、ダイエットのために我慢しすぎず大切にしてほしいと思います。食べたかったら食べていい。言いいたいことは相手に伝えてみる。ダイエットは一生ものと思って、続けていくために自分なりにできることが分かれば、必ず結果はついてきます。

――いつ始めるかも、自分次第ですか?

おにゃ:そうですそうです! 最近、「50代でもなぜやせていくのですか?」と聞かれるのですが、そもそも「なぜ50代になったらやせないのですか?」と聞きたいくらい。個人差がありますし、太っている理由も違う。加齢とともに基礎代謝量が落ちていくので、やせにくくなるという背景はありますが、やせないいちばんの理由は、「ダイエットをしていないから」。

ダイエットはやったもん勝ちです。病気になって高い治療費を払い、健康寿命も短くなるくらいなら今すぐにダイエットを始めたほうがいい。『炭水化物とタンパク質で50代が続々10kg以上やせ! たんタンダイエット』を参考にしながら、生活習慣と自分の体を整えて美しくなってください!