シニア世代に大人気のYouTuber・Mimiさん(63歳)。60代になってからYouTubeに動画をアップし始め、プチプラアイテムを使ったおしゃれなコーディネートや、ひとり暮らしのお金事情など、シニアの気になることを本音で伝えてくれると話題に。

9月26日には、Mimiさんの2冊目となる本『Mimi’s life MAGAZINE』(扶桑社刊)が発売になりました。ここでは、同書の内容を抜粋し、「老後の不安への向き合い方」についてご紹介します。

【写真】家具がないぶん広い空間ができる

不安は気持ちの問題。備えがあれば不安は克服できるはず

私はひとりっ子で独身。離婚も経験して、子どもはいません。両親は私が19歳のときに離婚しましたが、その父もすでに他界。母も昨冬(2022年)この世を去りました。

これまでを振り返ってみれば、常に誰かしらがそばにいました。こちらが頼ったり、頼られたりとさまざまでしたが、他者がいる暮らしは心強いものです。それが62歳にして、はじめてのひとり暮らし! 

●今、思うこと。これからのこと

50歳代の頃は、ひたすら老後が不安でした。60歳を過ぎた今も安心な状態とはいえませんが、自分なりにジタバタと人生を切り開いてきた自分としては「ただおびえて立ち止まっているわけにはいかない!」。

「不安」は気持ちの問題。なぜ「不安」になるのかといえば「備えがないから」、「想定できていないから」。じっとただ悩んでいても、誰も手助けしてはくれません。だったら「なにが不安か」「なにが困るか」「どうなったらイヤなのか」を想像して、「それを回避するにはどうしたらいいか」を考えるしかないんですよね。

まだ起こっていないことを怖がりすぎるのも意味のないこと。時代は変わっていきます。この先はITやAIでできることがもっともっと増えていくかもしれません。いまできることは、不安要素をひとつずつつぶしていき、備えておくこと。その積み重ねが不安を克服する力になると信じています。

●不自由になったときのことを想定して、ご近所をよく知る

健康に気づかってはいても、いずれ不自由になる日はやってきます。そのため、ご近所づき合いは大切に。このマンションに新築で入居して20年。顔ぶれもかなり変わりましたが、ご近所さんと顔を合わせたら挨拶は欠かさず。

私と同じひとり暮らしの友達とは「困ったときはお互いさま。何かあったら、そのときはよろしくね」と声を掛け合っています。

●ひとりは「不安」より「不便」。備えることで不安を軽く

不安を軽くするには、できることで備えるしかないと思います。

たとえば災害に備えて、枕元にはいつもスマホとスマートウォッチとメガネを。将来訪れるであろう不便については「体が不自由になったら、お風呂場をリフォームするよりデイサービスを使おうかな」などと、「今できること」「今考えられること」を心掛けています。

●年金は65歳からもらう予定。動ける間はとにかく働く

公的年金は繰り上げも繰り下げもせず、65歳から受け取ろうと思っています(私は特別支給の老齢厚生年金※の対象者なので、62歳からその分だけ受給しています)。

母のようにできるだけ働き続けたいし、少なくとも個人年金(60歳で一括払い込みずみ)を受け取り始める70歳までは、何らかの形で収入を得られるようにしなくちゃ! と試行錯誤を続けています。

●若いころから「投資」に興味あり。お金にも働いてもらう

40代の頃に働いていた会社に、投資に詳しい人がいたんです。おかげでお金のことを話題にするのも自然でしたし、勉強もできました。

今もIT関連銘柄の投資信託は持ってはいますが、年齢とリスクを考えて新規購入はしないつもり。失って困らないお金はありませんが、あまりにもリスクを取らないこともまたリスクであると考えています。

●激しいめまいに備えて薬とおむつを手の届くところに

横になっているときに、起き上がれないほどのめまいに襲われることがたまにあります。そこで、枕元の手が届くところに薬を置くことに。また、一度めまいが始まったら安静に寝ているのが一番で、トイレに行くこともままなりません。緊急時用に、母が使っていた大人用おむつも一緒に置いています。

●自分の体なのによくわからない。だからスマートウォッチに頼る

90代の叔母から「いつまでも歩ける体でいることが肝心!」と言われてスマートウォッチを購入しました。

スマートウォッチとは、スマホと連動してメールなどの通知を受け取れるほか、心拍数や運動量なども測れる時計。血圧の測定など対応した高性能なモデルもあるそうです。1時間動いていないと時計がアラートで教えてくれるので、意識して体を動かすように。健康管理もしやすくなりました。

●動かせない家具は置かない!空間も広く使えてメリットいっぱい

母が施設に入るまでは、この家で介護をしてきました。もともと物が少ない方が好きですが、東日本大震災の教訓もあり、背の高い家具や「自分ひとりでは動かせない家具は置かない」をマイルールに。

家具がないぶん広い空間があるので、母の介護もラクでしたし、自分のYouTubeの撮影もできました。掃除もラクで、メリットだらけ!

●自分で動かせる家具なら、居場所も自由自在

書き物などちょっとした作業をするときには無印良品のデスクを愛用しています。軽くて小さくて動かしやすいので、夏の暑い間は北側の涼しい部屋に。秋冬、冷え込んできたら日当たりのよい南のリビングにと、自分が心地いい場所に動かせます。

●60代で車は手放すつもり。固定費をさらに減らせます

この先は判断能力が衰える恐怖もありますので、いずれ車は手放そうと思っています。駐車場、保険、ガソリン代、税金…など、車の維持費は決して小さくありませんから、固定費が節約できるのはうれしい効果。それまでに、車がなくても困らない生活にしなくては…と徒歩圏のお店情報を収集しています。

デリバリーサービスのリサーチもしています。たとえば地元のスーパーでは月額550円、回数無制限で使用できる「専用ロッカー(自宅玄関に設置)にデリバリーしてくれる」サービスがあるそう。風邪をひいたときにはコンビニの配達サービスを利用するのがよさそうです。元気なうちに、備えておくことが大切です。