閉経前後に訪れる、心身ともにゆらぐ更年期。対処法を知って、女性ホルモンのアップダウンによる波を上手に乗りこなしましょう。産婦人科専門医の高尾美穂先生、鍼灸院院長の柳本真弓先生、料理研究家の金丸絵里加さんに、更年期の上手な乗りこなし方を教えてもらいました。今回は「ホットフラッシュ」編です。

更年期のホットフラッシュ(のぼせ・ほてり・発汗)をセルフケアで解決!

カーッと頭や首が突然暑くなり汗が流れるように噴き出す「ホットフラッシュ」。のぼせたような感覚に。

●原因は自律神経の乱れ。ゆったり構えて

女性ホルモン分泌の指令を出す脳の視床下部は、自律神経を司る部分。そのため卵巣から女性ホルモンが分泌されないと視床下部がパニックを起こし、それが自律神経の乱れに。

「自律神経は血管の収縮・拡張をコントロールするところ。バランスが乱れると寒くもないのに熱を生みだそうとします」(高尾先生)

カーッと頭に血が上り、異常な発汗やほてりが見られるのが代表的な症状。上半身は暑くなる一方で、足などの末端が冷えてしまうことも。

「汗が出ると恥ずかしい…と考えすぎると緊張から症状が強く出ることも。ゆったり構えることも大切です」

<更年期と間違えやすい病気>

・甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)→内科・内分泌科

●ゆっくり深呼吸で副交感神経を優位に

息をゆっくり吐くと副交感神経が優位に。「4秒で吸って6秒でゆっくり吐く。あるいは1分間に6回の呼吸になるよう深呼吸すると副交感神経にスイッチが入り、落ち着いてきます」(高尾先生)

<保冷剤を仕込んだタオルで首の後ろを冷やす>

頭に血が上ったら保冷剤でクールダウン。「薄手の細長いタオルで保冷剤をくるみ、それを首の後ろに当ててみて。首の後ろの太い血管を冷やすことで汗がスッと引きます」(高尾先生)

●交感神経を活発にするカフェイン、刺激物、冷たいものは控える

控えたいのはカフェイン、辛いものなど。「交感神経を優位な状態にするので食べすぎは注意。また上半身はのぼせても、じつは体は冷えているので冷たいものも控えて」(金丸さん)

●「然谷(ねんこく)」のツボを押して頭に上った血を鎮める

ホットフラッシュは頭寒足熱が逆になっている状態。「燃谷は、頭に上った熱を冷えている足側に引き寄せる効果が。頭を冷やし、正しい頭寒足熱の状態に戻します」(柳本さん)

<場所はココ>

足指のつけ根とかかとのちょうど中間、足の裏と甲の境目のくぼみ。親指で10秒ほど強めに押圧する。左右同様に。

 

ツボ押しやヨガ、アロマセラピーなどを行う場合、妊娠中やその可能性がある方、持病のある方は事前に医師と相談してください。また、試してみて痛みや不調があるときは、すぐに中断してください。

西洋医学に基づかない鍼灸やマッサージ、アロマセラピーは体質改善を目指すものであり、効果・効能には個人差があります