60代、いつまでも「動ける」自分でいるための習慣。健康管理でもっとも大事なのは?
年齢を重ね、つねに元気でいるためには習慣づくりがとても大切です。女性の生き方についての著者もある中道あんさんは、先日60歳を迎え、健康など内面を意識する暮らしを心がけているといいます。詳しく教えていただきました。
60歳になった私が70代まで続けたい習慣
普段から通っているピラティストレーニングは、行きつけの美容室の先生と一緒です。同世代で働く私たちはなんだかんだいっても体が資本。お互いにいつまでも動ける体をつくるため、切磋琢磨する仲間でもあります。若いころは健康であって当たり前でしたが、60歳にもなると健康は、あるものではなくつくるもの。若々しさだとか見た目に現れる外側も大事ですが、内側の質を高めるのも大事です。
●健康のMyチェックリストをつくって自己管理を習慣に
たとえば、以下に挙げた10個は健康のMyチェックリストです。1つでも当てはまるときは、コンディションを整えるべきサインです。
□朝起きるのがつらくスッキリしない
□疲れやすく、ゴロゴロしたい
□階段を上がると息ぎれする
□めまいや立ちくらみがする
□焦りやイライラを感じる
□なんとなく不安な気持ち
□肩や背中がよく凝る
□胃腸の調子がよくない
□足がよくつる
□目がかすむ
こういう場合は、無理しているサイン。こうなる前に気づききたいところですが、なかなかそうはいかないものです。
どうしてもPC作業が多いので体の凝りを感じたり目がかすむときもあります。そんなときは、極力スマホを遠ざけ、PCを閉じてストレッチや短い散歩に出かけたりします。
朝の目覚めが悪いときは睡眠の質が落ちていたり疲れが溜まっているとき。昼寝したり、夜9時までに強制的に眠りにつくようにしています。
疲れが溜まるとメンタルも弱るので、些細なことにイライラしたり、突然ふわっと不安が押し寄せてきたりします。すると、「あぁ、いま自分はめっちゃ弱っているのだな」と自覚するようにしています。これは休めのサイン。
むくみや疲れを感じたら、砂糖をとりすぎている場合が多く、食べるものに気をつけます。健康のためになにかをたすのもいいですが、自分の内側にアンテナを立てて「〜しすぎない」ことも大事です。
●60代は、歯のメンテナスこそしっかりと!
生き死に関係ないから「歯」のメンテナスは怠りがちです。でも若々しさは見た目の外側に現れます。仕事がら写真を撮ってもらうことが多く、歯を見せて笑うシーンもしばしば。あるとき、黄色い歯の笑顔に気づいてしまったのです。
口元から見える歯の色が黄ばんでいると、なんだか恥ずかしいし自信を失いがちに。白い歯を取り戻そうと、ここ2年ほどオフィスホワイトニングに通っています。同じように考える人が多いのか、徐々に予約困難なほど人気になり、ホワイトニング方法を変えました。
マウスピースをつくって毎日セルフホワイトニングをするホームホワイトニングにしたことで、費用を抑えられるし、クリニックまでの移動の面倒がなくて私にはピッタリでした。
歯も健康のバロメーター。虫歯はないのですが歯周病は気になるところです。歯ブラシの他にデンタルフロス・ワンタフトブラシを使って丁寧に磨いています。
「あなたは毎回、歯のどの部分から磨きますか?」私は、そう聞かれて「え? どこだろう?」と、はっきり答えられませんでした。質問の主である友人は、磨き始める歯を毎日変えているそうです。人は歯を磨くときいつも同じ歯から磨く癖があるそうです。するとよく磨けている歯と、そうでない歯の差ができるから、毎回スタート地点を変えるほうが丈夫で美しい歯を保てるんだそう。それを聞いて、そんな細かなところまで気を配るなんてすごい! と感心しました。無意識でしている習慣を意識的に変えるまで1年かかったそうです。
私も試してみましたが、やはり3日坊主でした。意識を表面化させるのはメリットを体感できないとなかなか難しいですね。
●朝夕のフェイスシートマスク×アイクリームでちりめんシワを改善
こんなに効果を感じられるなんて想像以上です。フェイスマスクは10年以上前からやっていますが、お肌のスペシャルケアのつもりでした。それを朝夕やってみたら、しっとりと弾力のある肌に変化したように思います。
フェイスマスクをつけている5分間、ソファに深く腰をおろしお白湯を飲みながらぼーっと窓の景色をながめる。最高のリラックスタイムです。
40代から目の下のシワが気になっていました。原因はゴシゴシ洗いと乾燥。若いときは「自分を丁寧に扱う」というのを怠っていたんですね。とにかくやればいい! と思っていて、その過程にまで注意を払えませんでした。
子育てや家事で忙しく、自分を構っている時間がなかったからかもしれません。それらを卒業できた今だから、自分に優しく接してあげられる。
目元専用のクレンジングオイルでアイメイクを優しく落とす。顔全体をクレンジングして洗顔。そのあとフェイスシートマスク。終わったらアイクリームをつけて目元をマッサージ。PC画面をながめる時間がどうしても長いので疲れ目ケアにもなっています。そして保湿クリーム。
フェイスシートマスクを習慣にするまで、リッチなクリームをつけたりしていましたが、今はリーズナブルな価格帯のものを使っています。化粧水も使わなくなったりして、結局のところお肌の調子は上がったのにコストダウンできたといううれしい結果になっています。おかげですぐに習慣を変えられました。
●スマホのメモ帳とGoogleマップは秘書代わり
「ニワトリは三歩歩けば忘れる」と言われていますが、まさに今の自分がそう。2階から勢いよく下りてリビングに入っていったのに「あれ? なにしに来たんだっけ?」とすっかり用事を忘れてしまっている。うんと考えても思い出せないから、また戻って周りをキョロキョロとながめてみて「そうだ! ハサミを取りにいったんだった」と思い出す。
散歩の途中、信号待ちのふとした瞬間にアイデアが下りてきて、これはすごい! 世紀の発明ばりに気分が高揚してワクワクする。家に帰ったらまっさきに書き出そう、と思っていたのに、横断歩道を渡ってしばらくすると、あれ? 全容が思い出せない。
ひらめきは瞬間記録しないと行動にかき消されてしまう。そこで頼りになるのがスマホのメモ帳。思いついたら即座に記録するよう心がけています。
・ひらめきはその場でメモ帳に記録
・買い物リストをメモ帳に記録
・重要なタスクはメモ帳で管理
そしてもう一つがGoogle map活用を習慣にすること。旅行先ではあらかじめ行きたい場所をマッピング。どういうルートで回っていけばいいかマップを確認しながらスケジューリング。アナログ世代の私たちは、どうしても調べるより先に人に聞く方が早いと思ってしまいます。
「分からんかったら人に聞いたらええやん」というクセが抜けきらない。それじゃ自立した生き方はできないと思ったのです。そこでGoogle mapを活用して知らない場所でもひとりで行けるようになろうと使い始めました。
回数を重ねるうちにマップを使いこなせるようになってくると、迷子の不安が薄らぎます。今は気になるお店をどんどんマッピングして、旅先の楽しみを増やしています。お礼というわけではないですが、Google mapに口コミを投稿するローカルガイドの活動をしています。Googleサービスは頼りになるマイ秘書です。
60歳はシニア世代の入り口。これからどんどんシニアこそできる自分らしいライフスタイルを習慣化していきたいです。