45〜55歳は「更年期」にご注意。チェックリストでわかる最適な過ごし方
閉経前後に訪れる、心身ともにゆらぐ更年期。対処法を知って、女性ホルモンのアップダウンによる波を上手に乗りこなしましょう。産婦人科専門医の高尾美穂先生に、更年期の上手な乗りこなし方を教えてもらいました。今回は「更年期が現れる原因とケアの選択肢」編です。
更年期に感じる不調は、個人差が大きい
更年期はすべての人に訪れますが、だれもが重い不調を感じる更年期障害になるわけではありません。
「まじめでがんばり屋な人、ストレスが多い環境下にいる人ほど症状が重くなりやすいといわれています。また、PMS(月経前症候群)が強かった人や、産後うつになった人は、それだけ女性ホルモンの変動に揺れ動かされやすい体質ともいえるため、更年期に症状が強く出る傾向にあるといえるでしょう」(高尾先生)
とくに多くの人が更年期にあたるとされる45〜55歳は、親の介護などライフスタイルにも変化が訪れ、ストレスを感じやすいとき。
『更年期かも…?』と思ったら迷わず婦人科へ。もしストレスを感じているならひとりで抱え込まず、周囲にヘルプサインを出すことも大切です」
●更年期症状が現れる要因
3つの要因が重なると症状が現れやすくなる
更年期症状の現れ方は個人差が大きいですが、上記の要因が重なると症状が出やすい傾向に。
●やってみよう!更年期指数チェックリスト
「あれっ更年期?」と感じたら、上のテストにトライ。あなたの更年期指数を診断してみて。
更年期を乗りこなすための選択肢
つらい症状は放っておかずにケアを。更年期の波を乗りこなす選択肢を医師に相談するのも手。
●更年期らしき症状があり、困っていたら病院へ
困っている症状があるなら受診を。
「更年期症状の裏には病気が隠れていることも。ほかに病気がないか調べることも大切です」(高尾先生)
更年期症状は次第に落ち着きますが、用心すべきはじつはその先。
「閉経以降は女性ホルモンがほとんど分泌されなくなり、動脈硬化や骨粗しょう症といった病気のリスクが上昇します。不調を感じやすい更年期は、自分の健康を見直す絶好のタイミング。今からでも遅くないのでかかりつけ医をもち、定期的に健診を」
かかりつけ医の見つけ方
女性のヘルスケアに強い専門医が◎。そのほかに医師とコミュニケーションがとりやすい、アクセスがいいなども判断基準に。下のサイトも参考に。
●【病院】ホルモン補充療法「HRT」
女性ホルモンを補充する治療法。効き目が早く、更年期障害が重い人におすすめ。飲み薬のほかにはり薬、塗り薬なども。更年期症状の緩和だけでなく、将来的な病気(動脈硬化、骨粗しょう症など)を防ぎたい人にも。
●【薬局(調剤)】サプリメント(エクオール)
大豆製品に含まれるイソフラボン由来の成分で、女性ホルモンに似た働きをするのが「エクオール」。エクオールを継続的に安定した状態で摂取するならサプリメントが便利です。
●【自分で】生活習慣の見直し&セルフケア
閉経後は女性ホルモンがほとんど分泌されなくなり、健康不安が増えます。更年期に薬を服用する人も、そうでない人も、将来的な健康を維持するために自分をいたわるセルフケアを知っておきましょう。具体的なケアについてはほかの記事で紹介します。
●【病院・薬局】漢方薬
東洋医学でいう「気・血・水(き・けつ・すい)」のめぐりをよくし、体調を底上げする漢方薬も効果的。
加味逍遙散(かみしょうよう)
「気」と「血」に乱れがあり、虚弱体質の人に向く。ホットフラッシュ、夜中の中途覚醒、イライラ、落ち込みなどメンタル的な症状が強い人に。
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
「血」の流れを整え、頭痛やのぼせ、肩こり、めまい、足の冷えを改善。体力はあるけど、のぼせやすく、赤ら顔でがっちり体型の人に。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
「血」と「水」のめぐりに問題がある人に向く。血行をよくして、冷えや貧血を改善する効果が。めまい、頭痛、肩こりがある人にもおすすめ。