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衣替えとともに、足元も秋仕様にしたいこの頃。でもふとゲタ箱をみると履いていない靴が多い…なんてことはありませんか? 今回、思いきって靴を処分したというブロガーの原田さよさんに、処分するポイントについて教えてもらいました。

記事の初出は2022年10月。内容は執筆時の状況です。

痛い靴は捨てて合う靴だけに。50代、靴を処分するコツ

「脚は2本しかないのに、そんなにたくさんの靴がいる?」

結婚前に友達にこう言われ、笑いあったことがあります。今も忘れられない、いい思い出です。そのくらい私は若い頃から靴を集めるのが好きでした。バブル時代はアルバイト代もお給料もよかったため、けっこう買っていたと思います。それを大学にも勤務先にも、喜んで履いていきました。

そのときの靴の何足かは、結婚後もなかなか捨てられませんでした。少々無理をしてでも買った流行りの靴、探し回ったヒールの高い靴、明るく鮮やかな色の靴、装飾の多い靴などを、ずっと置いていたわけです。みなさんはいかがですか。冠婚葬祭用の靴は別としても、何年も履いていないにも関わらずゲタ箱にいれたままという靴がありませんか。

私は、もう履けない靴を処分して、今の自分に合う靴だけを楽しく履いていこうと決めました。今回はそんな靴との向き合い方についてつづっていこうと思います。

●なかなか靴を捨てられなかった理由

私が靴を捨てられなかった理由は以下の通りです。

・高かったブランドの靴だから

・結婚したら家計優先になり、もうお洒落で良い靴は買えないと思っていたから

・少ししか履いていないので、まだきれいだし使えると思っていたから

・子育てが落ち着けば、また履けるときが来ると信じていたから

でも結局は、子どもに手がかからなくなっても履く日は来ませんでした。住宅ローンや学費の支払いが終わっても、どんどん靴を買いたいという気にもなりませんでした。主婦の私の生活範囲がとても狭かったのもあり、履いていくところがなかったからです。そもそも、何年振りかで履いてみたら、痛くて履けない靴もありました。

そこで、思いきって処分をすることにしました。

●処分した靴の共通点

私が処分を決めた靴がこちらです。

・きれいに見えても、劣化していた靴

・年齢を重ねて足の形がかわり、サイズが合わなくなっていた靴

・ヒールが高くて歩きにくく、危ないと感じるようになった靴

・ヒールが低くてもインソールが平らすぎ、かえって足が疲れるように感じた靴

・修理に出せば履けるが、そうまでして履きたいとは思えなかった靴

きれいに見えても、履いてみたら革に亀裂が入った靴がありました。年齢を重ねるにつれ“履かない靴まで手入れする”のが億劫になり放置していたため、結局、靴をダメにしてしまったのです。

また、履いてみると窮屈で痛い靴がありました。高かったからとかまだきれいだからとかいうより先に、足の形が変わっていたため履けなかったのです。かろうじてその場では履けても、歩いてどこかへ出かけるのは難しいとわかりました。

フラットなパンプスも好きでしたが、50代になってからは履かないようになりました。少し歩いただけで、足の裏が痛くなるからです。どうやらヒールが低すぎても、自分の足には合わなくなっていたようです。

こうして、私なりにこだわりのあった多くの靴のほとんどは、処分するしかないとわかりました。

●履かない靴を処分し、自分に合う靴を優先するように

多くの靴を処分してから買うようになったのは、今の足の形に合う靴です。とくに50代が選ぶポイントは以下になります。

・脱げにくくて歩きやすい、甲を包み込むような靴、ソールの返しがいい靴

・疲れにくいよう、インソールだけでなく、アウトソールも弾力性のある靴

・ある程度伸びて、自分の足の形にあっていくような素材の靴

・修理するとき費用がかかりにくい、ヒールが頑丈な靴

よく歩くという人におすすめしたいのが、甲をしっかりホールドしてくれる靴か、ベルトで調節できる靴です。スニーカーはもちろん、コンフォートパンプスと言われるものも、軽くて幅も広めで歩きやすいです。

私は何足かは靴に合わせてインソールをつくってもらいました。

冠婚葬祭用の靴のインソールの場合は、黒にしています。田舎に住んでいるため、親戚以外のお葬式に参列し長時間この靴を履くときもありますが、自分に合ったインソールのおかげで痛みは出ません。

私の場合は、40代半ばで発病した関節リウマチが原因で足の形が変わってきました。でも、病気ではなくても、年齢を重ねて足のアーチが崩れてきた人もいらっしゃると思います。また、もともと外反母趾の傾向があったのが、年々ひどくなってきたという人もおられるでしょう。もし、今まで履いていたお気に入りの靴が合わなくなってきたと感じたら、シューフィッターさんに相談してみるか、整形外科で足の状態をみてもらうのもおすすめです。

●靴を減らしてよかったこと

「靴は今も好き。でも、履かないとわかっていてもなかなか捨てられない。ゲタ箱に靴が入りきらず他の場所にも収納している靴を、この先どうしよう…」

こういう思いを抱えてモヤモヤしている方がいらしたら、ぜひ時間をとって靴の整理をしてみてほしいとおもいます。

たしかに今の自分に合う靴は、若い頃に好きだったデザインではないかもしれないし、おしゃれに見えないかもしれません。でも、今の自分に合う靴を履けば、長時間歩いても疲れなくなります。歩く姿勢も良くなるので、若々しく見えるメリットもあります。

今のためにも、これからの身体のためにも、合う靴を履いてさっそうと歩きたいですよね。そんな靴だけが入ったゲタ箱になったら、気持ちまでスッキリするし、今ある靴を大事にしていこうという思いも芽生えてきます。

秋の行楽シーズンがやってきました。ぜひ片づいたゲタ箱から相棒の靴を出し、ワクワクした気持ちで出かけてみてください。