アンガーマネジメントとは、怒りと上手につき合うための心理トレーニングのこと。感情が揺れやすい更年期に役立てて。日本アンガーマネジメント協会理事の戸田久実さんに伺いました。

「アンガーマネジメント」で怒りをやり過ごす!

「怒りをコントロールするには、まず、怒りというつかみどころのない感情を自分で理解しなくてはいけません」と、日本アンガーマネジメント協会の戸田久実さん。そのためにやってほしいのが「アンガーログ」の記入です。

「記録を見直すことで、なぜ自分はイライラするのか客観的に分析でき、怒りをやり過ごす、または相手に怒りを“お願い”として上手に伝えられるようになります」

また、更年期の人にはこんなアドバイスも。

「体の状態を把握しておくことも大事。ホルモンバランスでイライラするなら病院に相談することも対策のひとつです」

 

「怒り」に対処する2つの選択

怒りの感情はごちゃ混ぜにせず、以下の2つの方法で対処を目指して。

●1:自分の中でやり過ごす

まずは怒りに任せた衝動的な行動をしないことが大切。やり過ごす方法を身につけましょう。

・6秒数えてみる

ムカッとしてもとりあえず6秒間だけ怒り以外に意識を向けること。6秒たつと理性が働き冷静になれます。

「ただ6秒数えるだけでなく、難しい引き算をしても。意識を怒りからそらすのが狙いです」

・「タイム(休憩)」をとり、その場から一時的に離れる

怒りが発生した場所にいると感情が蓄積されやすいため、その場から席を外していったんタイムを。

「深呼吸をしたり、トイレに行ったり、コーヒーブレイクをとったりすると怒りのピークが過ぎて行きます」

●2:相手に改善をリクエスト

「“〜するべき”の自分の価値観が相手に伝わってないことも怒りの原因に。“〜されて自分はイヤだった。だからこうしてほしい”と具体的に改善点を伝えて」。丁寧に伝えることの積み重ねにより、怒りの原因が減少します。

・たとえばこんなリクエスト

ゴミを出すとき、ゴミをまとめたら、新しい袋をセットしてほしい

いくらなんでも、親に向かって「うるせぇ」って言って欲しくない

【イラッとしたとき衝動的な行動はNG】

衝動的な行動は、後悔したり関係性に亀裂が入ったりといいことなし。

「怒りは人間の自然な感情ですが、情動にまかせて怒るのはNG」

・物や人に当たる
・怒鳴り散らす
・売り言葉に買い言葉でケンカする