物価上昇や光熱費高騰は悩ましいけれど、無理な節約はしたくない! そんなESSE読者の声をもとに、普段の暮らしや、やりくり術を見直しただけでゆとりが出た“お金に愛される人”を取材しました。がんばらずにできる方法で、強い家計をつくる秘訣が満載です。今回は、プレ年金生活をはじめた、Tさんにお話を伺いました。

50代で老後の計画を見直し、プレ年金生活を実践中

4年前、3人の子どもが全員独立して子育てが一段落したTさん。

【写真】Tさんの出費MAX時の家計表

「長男と下の双子が年子だったため、教育費のやりくりは本当に大変で、『次の授業料を支払えるんだろうか』と悩み、眠れない夜が何度もありました。下の子が独立したときは、心の底から安堵したのを覚えています」

●今から暮らしを小さくして、無理のない年金生活に

ところがそのあと、更年期障害の不調に直面。

「貯蓄が激減したことで、老後への不安も募るばかりで…。元気を取り戻すために一念発起、前向きに老後を考えようと決めたんです」

老後に備え生活をサイズダウンし、もらえる年金額を確認して、「プレ年金生活」をスタート。

「安心して楽しく、ストレスなく過ごすために見栄やムダを捨て、夫と話し合いながら、私たちらしい暮らしを模索しています」

老後もお金に愛されるための、プレ年金生活を紹介します!

怒涛の子育て期・出費&やりくりヒストリー

3人分の教育費総額2970万円! どんどんと出費が増えたT家の、24年間のリアルなやりくり法に密着しました。

●出産

・出費:年子、そして双子出産

結婚と同時に、夫の転勤先の広島へ。すぐに長男、翌年、双子の姉妹が生まれ育児の日々に。

・やりくり:子ども3人分の学資保険に加入

将来の教育費のために、満期金300万円の学資保険×3に加入。児童手当も、全額貯蓄へ。

●幼稚園時期

・出費:幼稚園関連の費用が負担に

3人分の幼稚園の月謝と通園バス代で、月約7万円に。当時は助成金がなく、家計を直撃!

・やりくり:節約を駆使してなんとかやりくり

教育費急増のため、食費などの生活費は6万円でやりくり。学資保険料は、ボーナスから捻出。

●小学生時期

・出費:もち家、クルマを購入!

長男の小学校入学と同時に家を購入。子どもの成長でクルマが必要になり、中古車も購入し、貯蓄が大幅減。

・やりくり:不足分を夫の賞与で補い、赤字の月も

ステップ返済(※)で住宅ローンの返済額が増え、赤字の月も。ボーナスで補てんしてしのぐ。

借入5年目以降に返済額が上がる返済方法

●中学〜高校生時期

・出費:部活やつき合い、教育費以外も増加

教育費以外にも、食べ盛り期に食費が激増。衣服や部活費、友人との交際費なども必要に。

・出費:習い事が増えてくる…

習い事はすべて3人分。学校教育費などを合わせると、中学時代で月の教育費は10万円!

・やりくり:パート開始!

パートを始め、月収が6万円増加。学資保険料はボーナス頼みのまま

・やりくり:1回目の住宅ローン借り換え

金利3.7%→1.6%に。ボーナス返済をやめ、賞与を全額貯蓄に回せるように

・やりくり:2回目の住宅ローン借り換え

金利1.6%→0.3%。返済額は変えず、残債を効率よく減。手元にお金を残すことに集中させる

●大学生時期

・出費:3人分の入学金で計1000万円

講習、模試代、受験料などで学資保険の満期金がみるみる減。入学金も合わせて1000万円!

・出費:学費に加え仕送りも発生

3人とも理系に進み、研修の交通費や短期留学費なども必要に。長男は下宿で、仕送りも。

・やりくり:夫の保険をかけ捨て型に

夫がつき合いで入った保険を思いきって解約。かけ捨てに変更して、保険料が3分の1に。

・やりくり:私用のお金はそれぞれバイト代から

子どものスマホ代やこづかいは各自バイト代から出すルール。免許合宿費も立て替え制に。

・やりくり:定期的に固定費見直し

保険やスマホ代など定期的に見直し、負担を軽減。家計が苦しい時期に大きな効果を発揮!

・やりくり:家族の合言葉は「安全第一」

教育費で家計はギリギリ。家族になにかあると破綻するため、「安全第一」が合言葉に。