新居にバルコニーがあれば、布団が干せて、冬にはイルミネーションを飾って楽しめる! そんな夢が、現実には…。3年前にハウスメーカーで2階建ての家を建てた日刊住まいライターは、憧れのバルコニーをつくりました。しかし、暮らしてから、まともに使ったことはなし。それなのに、3か月1回の掃除と高いメンテナンス費用が必要に。理由を語ります。

気づけば3年。まったく使っていないバルコニー

3年前にハウスメーカーで、2階建て住宅を建てた筆者。今は妻と子ども2人の4人暮らしです。

筆者の家には、2階の洋室の外に3畳に満たないバルコニーがあります。南向きにつくったこともあり、日中はとても明るいバルコニー。しかし、この家に住んで3年。バルコニーをまともに使ったことはありません。いや、3か月に1回はバルコニーに出ています。バルコニーの掃除のためだけに…。

なぜこんなにも使わないバルコニーになってしまったのか。実際に3年過ごしてみて、筆者には思い当たる点がいくつかあります。

 

そもそもバルコニーを使う「強い理由」がなかった

バルコニーを使わなくなったいちばんの原因は、バルコニーを使いたい「強い理由」がなかったこと。

筆者と妻が家づくり中に、バルコニーでやりたいとぼんやり考えていたことは、以下の2つです。
・日がよく当たるはずだし、布団や洗濯物を干すだろう
・イルミネーションもやってみたい

しかし、いざ新居で暮らし始めて、現実は違うと感じ始めました。

 

布団干しは、布団乾燥機でことたりました。ほかの洗濯物は、1階のランドリールームで家事が完結します。バルコニーまで運んで干すことはありません。

バルコニーには、イルミネーションのためにコンセントまで設置していました。しかし、筆者にイルミネーションの経験がなかったことや、仕事に子育てに追われてなかなかイルミネーションに踏み出せず、今に至ります。

2階の洋室の外にあるバルコニーに行くのが面倒

写真のようにバルコニーは、将来2つに分けて子ども部屋にする予定の洋室の外にあります。日当たりのいい南向きであることを優先し、この場所にバルコニーをつくりました。しかし、これもあまり使っていない理由のひとつだと考えています。

リビングとは違い、2階の洋室は常に人がいるわけではありません。そのため、洋室の外につくったバルコニーに出る頻度は減ります。強い理由がない限りは、わざわざ2階に上がって洋室を通った先にあるバルコニーに出よう、とは思わないのです。

そして、バルコニーでなにか強くやりたいことが筆者にあったわけではないことは、先ほどお話した通り。

もし、2階リビングをつくってそこにバルコニーがあれば、状況は変わったでしょう。アウトドアリビングとして、ちょっとバルコニーでくつろぐなど、活用できていたかもしれません。

 

使わなくても10年目で5万円、20年目で25万円の維持費用

バルコニーをつくって後悔しているのは、「使わないから」だけではありません。バルコニーは、存在するだけでお金がかかるのです。

ハウスメーカーの試算によると、筆者宅の3畳弱のバルコニーには、10年目に5万円、20年目には22万円とメンテナンス費用がかかります。そしてメンテナンス費用は、その後もかかり続けます。

バルコニーの面積によってメンテナンス費用は変わるので、バルコニーが広くなればなるほどメンテナンス費用は高くなるでしょう。

バルコニーをつくらない選択肢も検討すべきだった

筆者が以前住んでいたアパートでは、リビングの外にバルコニーがありました。洗濯室は狭かったので洗濯物はバルコニーで干すのが当たり前。そのようなアパートで暮らしていた筆者にとって、バルコニーはなくてはならない存在でした。

しかし、新居には十分なスペースのランドリールームが別にあり、バルコニーがあるのも家族が集うリビングではなく2階の洋室の外。よく考えてみれば、そんな家に暮らす今の筆者には、もはやバルコニーは必須ではなかったのです。

家づくりをしていた頃、バルコニーはあって当たり前と思っていました。しかし今思えば、思いきってバルコニーをつくらないという選択肢も、検討しないといけなかったと思います。

「バルコニーでやりたいことが、はっきりしていますか? バルコニーをつくる場所はそこでいいですか? バルコニーは維持費がかかりますよ」…。家づくりの際にバルコニーを検討している人がいたら、そう伝えてあげたい気分になった筆者でした。