CBS MarketWatchによると、米コンピューター・プリンター大手HP(ヒューレット・パッカード)の幹部、アンソニー・ジェンティルッチ氏とケビン・ハンセーカー氏の2人が、米報道機関に漏えいした社内の機密情報をめぐる調査問題に関与したとして、26日までに辞任していたことが分かった。

  ジェンティルッチ氏は、HPでグローバル・セキュリティー・マネジャーを務め、ハンセーカー氏は、同社の主任弁護士を務めていた。HPによると、ジェンティルッチ氏は今年1月、機密情報を漏らした人物の特定に向け、同社従業員1人の社会保障ナンバーを私立探偵に渡し、探偵が、これを使って同従業員の個人情報を得ていたという。ハンセーカー氏は、HPの社内調査に関わっていた。

  同問題をめぐっては、パトリシア・ダン会長が22日付で辞任している。ダン前会長とマーク・ハードCEO(最高経営責任者)らは28日、今回の問題をめぐり、米下院商業・エネルギー委員会の公聴会で証言する予定。ジェンティルッチ、ハンセーカー両氏も、同委員会から召喚状を受け取っている。

  一方、HP株を保有する4つの米公的年金基金は、HPの問題対応に懸念を示し、同社取締役会の刷新に向け、3%以上の株式を少なくとも1年間保有している株主が、取締役候補を推薦できるように内規を変更するよう提案した。

  26日のニューヨーク証券取引所で、HPの株価は前日比0.01ドル(0.03%)安の35.70ドルで引けた。【了】

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