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現行型Nボックスは、まだ販売中

執筆:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)

8月3日に内外観のデザインが公開された、ホンダ新型Nボックス。発売は今秋の予定だ(噂では10月初旬といわれている)が、すでにディーラーでは先行予約を開始している。

【画像】Nボックス「先行予約受付中」のカタログ【新型の姿もチェック】 全54枚

とはいえ、最近の新車デリバリーを考えると、実際に手に入れるまでは時間がかかることは間違いない。それならば、現行型の最終モデルを手に入れるというのもありだろう。


新型Nボックス・カスタム「コーディネートスタイル(スレートグレーパール 2トーン)」    池之平昌信

実際の受注状況や、新型の反響はどうなのか。ディーラーの現場での話などをもとに紹介してみたい。

新型が先行公開されたとはいえ、現在のところは現行型はもちろん新車で販売されている。

一時期の半導体などの供給不足が少しは落ち着いた関係もあり、現行型のNボックスはオーダーすればけっこう早く手に入る。

メーカーも今までの受注状況から、売れ筋のグレードやボディカラー、そしてメーカーオプションなどを装備したモデルを在庫しているから、希望に添ったモデルが見つかれば、ほとんど待たずに手に入れることができるのだ。

現在所有している愛車の車検時期などの関係や、また新しくクルマを購入するので少しでも早く愛車を手に入れたい、といった人は現行型の最終モデルを狙ったほうがいいだろう。

8月中に動けば、新型は年内納車?

ちなみに、新型Nボックスの受注も始まっており、8月中にオーダーした場合、納車時期は標準モデルなら11月以降、カスタムなら12月以降といわれている。

オーダーしてから納車まで3〜4か月という期間は最近のニューモデルとしては短いほうだが、それを待てるというなら「新型を待つ」のもありだろう。


新型Nボックスの標準モデル「ファッションスタイル(オータムイエローパール)」    池之平昌信

ところで、新型Nボックスは内外観のデザインが公開されてから、ネット上ではさまざまな意見が飛び交っている。

基本的には、従来型の正常進化で大きく変わってはいないから好意的に受けとめられているようだ。

それでも、「新型の標準モデルは顔がN-VAN(Nバン)みたいだ」とか、「デザインが変わり映えしない」「内装がチープに見える」「2本スポークのステアリングがイヤ」「従来型のステアリングホイールの上から見るメーターデザインのほうがいい」「物入れが小さくなった」といった意見も見られる。

ただ、これらの発言者の多くはメディアに掲載された写真だけで判断しているはず。実車を見れば、そのコメントが変わることは十分に考えられる。

では、実際の現場での販売状況はどうなのだろうか。

先行予約受付のカタログも

今回、話を伺ったの横浜市のディーラー。都市部ではあるが周辺には細い道も多く、Nボックスのユーザーはけっこう多いという。

それでも、受注開始のあとからお盆期間の休みがあったこともあり、今のところ新型Nボックスの反響は意外と高くないようだ。


編集部も入手した「新型Nボックス 先行予約受付中」のカタログ。ホンダカーズのブログなどでも紹介されている。    AUTOCAR JAPAN編集部

すでにディーラーでは予約受注用のカタログも配布されており、車両価格も公表されているようす。今後、メーカーから追加情報が出てくるであろうから、実際にオーダーが増えていくのはこれからになりそうだ。

クルマを売るディーラー側としては、新型Nボックスは前述のように納車まで時間がかかるし、当然ながら車両価格も従来型より高くなる。それならば、熟成された現行型Nボックスの最終モデルは値引きも期待できるし、納車も早い。

何よりも新型は現行型のイメージを踏襲しているから、新型が世に出回り始めても従来型が古臭く感じられることも少ないだろう。まずは現行型の最終モデルをお勧めしたいようだ。

そして、まだ正式発表はされていないものの、パワートレインは従来型と変わらない模様。つまり、マイルドハイブリッドやEVは設定されていないから、従来型を手に入れて、いずれ電動車が登場したときに買い替えを検討するというのもありか。

いずれにしても、クルマ選びはこうして思いをめぐらしているときがクルマ好きには1番楽しいはず。人の意見を参考にしても、最終的に決めるのは自分自身(それでも、パートナーなどの意見を無視して家庭争議にならないように!)。

やっぱり新型が欲しいし、永く付き合いたいから少しは待てるというなら新型を選ぶといい。少しでも早く手に入れたいし、熟成された現行型のほうが賢明かなというなら現行型を選ぶといい。とにかく、予算や納車時期、そして自分の意志を考慮しながら、最適な1台を選んで欲しい。