がんの治療を受ける飼い主の女性を優しく抱きしめるソーラ。生まれた時からいつも一緒だったというソーラのハグは、女性の心の癒しとなった(画像は『The Dodo 2023年7月19日付Twitter「This is the most empathetic and loyal dog ever」』のスクリーンショット)

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大好きな飼い主の女性がある日、がんで頭を剃ってしまったのを見た犬の“ソーラ”は当初、驚いて戸惑った。しかしその後、まるでつらい病気と闘っていることを悟ったかのように優しく女性を抱きしめた。「ソーラの優しいハグこそ、私の病気の治療薬」と語る女性と、女性が好きでたまらないソーラの心の交流を、動物専門ネットメディア『The Dodo』が伝えている。

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韓国在住と思われるユン・ジェイさん(Yun J)は今から約5年前、生まれたばかりの子犬“ソーラ(Sola)”を自宅に迎えた。

それからというものいつも一緒だったユンさんとソーラは、お互いになくてはならない存在になり、ユンさんは3年前にはソーラのInstagramを、昨年にはYouTubeチャンネル「From SOLA」を立ち上げ、ソーラの視点から見た動画の投稿を続けてきた。

そんなユンさんが昨年11月、YouTubeに「私の犬は、私ががんになったことと、抗がん剤で髪を失ったことに反応する」と言葉を添えて1本の動画を投稿したところ、これまでの再生回数が560万回を超えた。

実はユンさん、コロナ禍後に乳がんであることが分かり、リンパ節に転移したことから手術を受け、抗がん剤や放射線治療に耐えてきた。ところが髪が抜け始めたことで頭を剃り、美しい黒髪を失ったのだった。

そして丸坊主のユンさんをソーラが初めて見た瞬間を捉えたのが、YouTubeで反響を呼んだ動画だった。

動画では、ユンさんが帽子を被りパジャマを着た姿でベッドの上に座っており、そのすぐそばにソーラが寄り添っているのが見て取れる。

そしてユンさんが帽子を取ると、ソーラは目を丸くし、右足をユンさんの手の上にそっと置いてユンさんをジッと見つめている。戸惑い、何か考えているようでもあるが、ソーラはその後、何かを悟ったようにユンさんの右肩に顔をのせて、優しくハグするのであった。

なおユンさんは先月19日、この動画をInstagramに投稿しており、こちらは約2週間で1380万回以上の再生回数を記録した。ユンさんは「あの瞬間、ソーラは私ががんであることを悟ったの」と綴り、のちに「ソーラの優しいハグが私の病気を治してくれるの」と明かしていた。

しかしその後、ユンさんは体調が悪化して入院が決まってしまう。ユンさんが入院準備を始めると、ソーラはいつもと違うユンさんにいち早く気付き、落ち着かない様子だったという。

「ソーラは私がいつも投げてあげるボールを、病院に持っていくスーツケースに詰め込んだのよ」と苦笑するユンさん。ソーラはそんなユンさんを、悲しい鳴き声を上げながら送り出したそうだ。

ユンさんは入院中、可能であればFaceTimeでソーラに語りかけ、2か月と5日目で外出許可が出た。病院まで車で迎えにいったソーラは大興奮で甘えてきたそうで、ユンさんが約9か月の治療を終えて帰宅すると、尻尾を振り目を輝かせて喜んだという。

なお、ユンさんとソーラのこれまでのやり取りをまとめた動画は先月20日、動物専門ニュースサイト『The Dodo』のYouTubeで公開されており、次のようなコメントが寄せられた。

「なんて温かいのだろう。涙が止まらないよ。」
「私はがんのサバイバー。私が生きていられるのは愛犬のおかげ。診察にいつも一緒に来てくれたのはあの子だけだったのよ!」
「犬はがんや抗がん剤がニオイで分かるというわ。がんだと悟ったのは、丸坊主になったのを見たからだけではないかもしれない。」
「病院から出てくる女性を見た時のソーラは、喜びに溢れているわ。こんな純粋な愛を目の当たりにしたのは本当に久しぶりだよ。」
「ソーラはまるで人間のよう。悲しい鳴き声を聞いていると、心に突き刺さる。」
「ママがさよならと手を振っている時のソーラの目が本当に悲しそう。そしてママが帰宅した時の顔の輝き! 特にソーラがママをハグする場面では涙が止まらなかったよ。これは本当に美しいね。」
「完治することを祈っているよ!」

そしてユンさんは「私たちのストーリーを見てくれてありがとう。ソーラとママ(ユンさん)は今、ともに最高の人生を生きているの。私たちのストーリーが、あなたの心の慰めになれば嬉しく思うわ」とコメントを残している。

画像は『The Dodo 2023年7月19日付Twitter「This is the most empathetic and loyal dog ever」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)